大阪で“トクリュウのリーダー”逮捕も連続強盗とは別組織か?関東の“黒幕”は暴力団関係者説、元刑事が解説
大阪府警は14日、今年4月に大阪市内のマンションで邸宅に侵入した疑いで、「トクリュウ」(匿名・流動型犯罪グループ)のリーダーとみられる今井裕治容疑者(37)と犯行車両を提供した前川智一容疑者(40)を逮捕したと発表した。実行役が逮捕されても、トップにまでたどりつかない現状が続く中、今回の逮捕が注目されていることを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は15日、デイリースポーツの取材に対し、関東で連続している“闇バイト強盗”の事件とはまた別の組織である可能性を指摘した。 警察によると、今井容疑者らは実行役の男(21)と共謀し、大阪市淀川区のマンションに侵入した疑い。実行役の男は会社社長宅の玄関をバールで開けようとしたが、警察に通報されて逃走。その後、この男は山口県下松市で現金550万円などが奪われた強盗傷害事件に関与したとして逮捕・起訴されている。今井容疑者らが“闇バイト”として募った実行役に犯行を指示していたとみられている。 小川氏は「前川容疑者の方は実行役を募るリクルーターを兼ねた指示役で、今井容疑者が指示役に指示をしていた首謀者でトクリュウのリーダ-とみられています」と解説した。 一方で気になるのは、今年8月27日から11月3日まで、関東の1都3県で合同捜査本部の対象となっている18の事件との関連性だ。 小川氏は「今回、リーダーと思われる男が捕まった件はあくまで大阪の事件であり、関東近郊で連続して起きている強盗事件の指示役、もしくはその首謀者であるかどうか、関連性があるかどうかは現時点では分かっていない。そういったグループは複数あるとも考えられる」と推測した。 さらに、小川氏は「関東での一連の強盗事件の首謀者、または黒幕的な人物は現役の暴力団員ではないものの、暴力団関係者であるという話が出ていますが、今回、大阪で逮捕された人物とは違うのではないか。今後の取り調べにより、関連性等も解明されると思われます」と付け加えた。 後を絶たない犯罪に対し、小川氏は「怪しい電話がかかってきたり、訪問販売等を装って直接訪ねてくるリフォーム業者やリサイクル業者を名乗る者、トイレを借りに来る者など、怪しいなと思う者がいれば、警察専用窓口の♯9110に電話してください。また、実際に自宅に上がり込んだ等の場合は110番です」と呼び掛けた。