【速報】奈良教育大付属小などが会見『授業の実施不足』『教科書の未使用』発覚 なぜ?「教員が独自の考えで実施、学習指導要領など省察なく」
17日、奈良教育大学附属小学校で学習指導要領に示されている授業内容の実施不足や、教科書の未使用があったことが明らかになりました。 会見した奈良教育大の宮下俊也学長は、「児童や保護者はもとより、広く国民からの信頼を裏切ることとなり深く謝罪いたします。正義を教え尊ぶ教育機関で、将来の教師を育成する教員養成大学附属学校でありながら、その使命と責任を果たすことができなかったことは、学長として慙愧に耐えません。」と、お詫びのコメントをしました。
具体的に何が不適切?
資料によると問題の経緯は、去年5月に奈良県教育委員会から、「教育課程に問題があるという話がある」と、学長に連絡があったのがきっかけ、その後調査委員会が内容を取りまとめました。 具体的には、小3以降の国語で「毛筆による書写」が年30時間づつ不足していました。小1以降の道徳で「道徳的な指導が全校集会で行われていたものの、特別な教科である道徳としての実施とは言えず」、年32時間づつ不足、6年生については計161時間の不足となりました。 このほか、学校教育法で定める「教科書の使用」について、教科によって不十分であり、代わる教材として独自に作成されたプリント等が使われていたということです。 学校側は、在校生および卒業生に対する回復措置を、オンライン補習などを利用しながら実施する考えです。
なぜ不適切な指導が起きたのか?
学校側は、発生した要因として、「各教科等の年間指導計画立案が不十分だった」ことや、「意思決定において、校長の意向に教員が協力的でなかった」ことなど7点を挙げました。 なかには、「当校は国立の附属学校として、指導法や教材の開発を独自に行ってきたが、教員が独自の考えに基づいて実施するなど、学習指導要領などを省みることはなかった」と国立の附属小ならではの理由もあげました。