新たに「伝統的酒造り」登録へ…東海地方のユネスコ無形文化遺産 2022年の「風流踊」では郡上おどりなど
日本酒や焼酎の「伝統的酒造り」が、ユネスコの無形文化遺産に登録される見通しとなりました。無形文化遺産はこれまで国内で22件登録されていて、東海3県に関するものも多くあります。 【動画で見る】新たに「伝統的酒造り」登録へ…東海地方のユネスコ無形文化遺産 2022年の「風流踊」では郡上おどりなど
■“形のない”伝統や風習を未来へ
2014年の和紙では、3種類が選ばれましたがその一つが岐阜県の「本美濃紙」です。「本美濃紙」は1300年の歴史を持つ美濃和紙の中でも、伝統的な手すきの製法を守って作られています。 2016年には山・鉾・屋台行事が登録され、山車や屋台を曳き回す愛知県の「犬山祭」や岐阜県の「高山祭」などが対象となりました。 2022年の「風流踊」では、岐阜県郡上市の夏の風物詩「郡上おどり」などが登録されました。
■味噌やみりんも…愛知は「発酵王国」
新たに2024年、「伝統的酒造り」が12月にも登録される見通しとなりましたが、愛知県は江戸時代、国内で2番目の日本酒の産地だったとされています。 この他にも、愛知県は発酵や醸造といった文化が盛んな地域です。酒造りの過程で生まれた酢やみりんのほか、八丁味噌やたまり、守口漬などが古くから作られてきました。
愛知県で発酵文化が発展した背景について、発酵や醸造に詳しい名城大学農学部の加藤雅士教授は、愛知県が濃尾平野にあり、米や水、大豆などに恵まれていたことや、江戸時代も尾張徳川家が治め経済的にも安定していたため、産業として発展したと指摘します。 また、江戸との海運が整備されていたため、運搬が容易だったことも大きな要因だといいます。