道の駅「あいお」が400㍍東へ 市が移転整備案まとめる【山口】
26年度着工、28年秋開業へ
山口市は、道の駅「あいお」の移転整備基本設計案をまとめた。古民家のような寄せ棟屋根を持つ大屋根広場を施設のシンボルとし、地域経済の活性化に向けた地域産業振興、情報発信の拠点として2028年秋の開業を目指す。市議会12月定例会一般質問2日目の10日、冨田正朗議員(やまぐち有隣会)の質問に伊藤和貴市長が答えた。 現在の道の駅は、敷地面積2700平方㍍で建物の延べ床面積150平方㍍と、市内の道の駅で最も小さい。利用者の増加もあって施設全体の狭隘(あい)化が進み、土砂災害警戒区域の指定範囲内という防災面での課題もあるため、移転計画が進められてきた。 移転場所は、秋穂東の現在地から約400㍍東側の県道宇部防府線と県道大海秋穂二島線の交差点近くの約1万3000平方㍍の水田。立地特性を生かし、海と山の魅力を併せ持つ施設として、既存の棚田地形を残して建物を配置するという。 大屋根広場は平屋で面積576平方㍍。全天候型の半屋外施設は休憩スペースやイベント会場として利用できる。同広場を中心に水産物や農産物を販売する建物、会議室などを備えた建物を併設。イベント開催などの情報発信スペースも置く。 高潮対策として施設全体を高床にし、備蓄倉庫と非常用電源を設けるなど、一時避難場所としての防災機能も備える予定。屋外には子ども広場や秋穂の自然を体感できる植生広場などの設置も検討している。 同案では事業費を20億円と見込む。開業後の数値目標として、30年度に来場者数を55万人、水産物などの売上高を1億4000万円と設定している。 今後は来年度に実施設計、造成設計を行い26年度から工事に着手し、28年度秋の使用開始を目指す。その間は現行の道の駅を営業する。 伊藤市長は「秋穂地域をはじめ、南部地域全体の活性化につながるよう議員や地域住民、関係者の意見を聞き移転整備を進めたい」と意欲を示した。 同施設は、22年の計画では26年度中の開業を予定していた。