藤本美貴「お惣菜はお惣菜の手柄ですから」自炊できない日の“シンプルなルール”に超納得
結婚、家族、身近だからこそ大切なこと
もう何年もキスしてないし、同じ空気を吸っているだけ。結婚して数年、家族になって十数年。夫婦になったとたん急速に熱が冷めて、感情のやり取りが単なるルーティンになってしまう。 結婚して家族になってからも初々しい恋心を保てというのではありません。ただ、共に暮らす家族は、あなたが選んだ唯一の人。何があっても、「その手しか、つなぐ手はない。」のです。 「旦那さんしか、つなぐ手はないんだから。久しくつないでいないと、もう誰のものなのか、わからなくなる。」とミキティ。 昔みたいなホットな愛ではない、でも、ぬるま湯のように安心できる愛はある。今さら……、などと言わずに、目の前の手をこちらからギュッとつなごうじゃないですか。つなぐ手がある幸福を、思いきり味わうのです。
めんどうくさい、は罪ではない
自分のために、家族のために、毎日ごはんを作っている人は無条件にえらいです。しかし疲労困憊で家事を投げ出したい日もあるでしょう。 3児のママのミキティだって同じ。パックのままのお惣菜に割り箸の食卓、という日もあるといいます。でも、罪悪感なんてなし。 「お惣菜はお惣菜の手柄ですから。あの半透明の容器で出して、食べ終わったらそのまま捨てます。」 あなたが無理して体を壊すほうが大変ですし、自分の身を守るためならお惣菜パーティー万歳の心意気でOKなのです。 めんどうくさい、は罪ではありません。自分のために、家族のために、笑顔でいるあなたを優先してください。
泣いても笑っても、人生は続く
ミキティって自己肯定感が高いのだろう。ここまで読んだ方は、そう確信したのではないでしょうか。 「自己肯定感が高いとか低いとか、考えたことがないんです。毎日、ただただ前に進むだけ。」 自己肯定感の基準は何だと思いますか。自分以外の人間です。他人様と比較して、他人様の鏡で自分を映しているにすぎません。自分軸で生きていれば、ミキティのように「止まっている暇なんてないんです」という状態になります。 「今日が悪くても、今日がよくても、もう前に進むだけなんです。自己肯定感を考える時間が無駄だから!」 ミキティだからこそのマインドで、世の中全員の人にあてはまるわけではないです。自己肯定感の低さに苛まれても、後ろ向きの思考になっても、落ち込まなくてもいい。 「前だって後ろだって、どっちだっていいんじゃないかな。とにかく一生懸命生きる。」 辛くても、しんどくても、目をとじればすぐに明日がくる。本書には、生きるのが楽しくなるミキティの言葉が、105個詰まっています。ページをめくるごとに、ネガティブな思い込みがはがれていくのを感じるでしょう。 悩みそうになったら、「ま、いっか」。空を見上げて、つぶやいてみませんか。 <文/森美樹> 【森美樹】 小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx
女子SPA!