初めて造ったウイスキーが国際品評会で最高賞 島根県で最古の酒造会社・右田本店
島根県内最古の酒造会社として知られる益田市の右田本店が初めて製造したウイスキーが、英国で開催された国際的な品評会で受賞した。製品は県内限定で販売を始めた。同社は観光誘客などにつながることを期待している。 受賞したのは、内側を焦がしたホワイトオークのたるで熟成し、キャラメルのような甘い風味が特徴の「右田ブレンデッドウイスキー バーボンスタイル」(4400円)。今月開かれた「ワールド・ウイスキー・アワード」の第1ラウンドで、ヴィンテージなしのブレンデッド部門で最高賞「カテゴリーウィナー・ゴールド」に輝いた。 右田本店は1602年創業。「宗味(そうみ)」ブランドの日本酒が地元を中心に親しまれている。県内では、ほかでウイスキーを造っていないため、県内初のウイスキー蒸留所になったとみられる。 ウイスキー製造に着目したのは杜氏(とうじ)の右田隆さん(46)。インパクトがあると考えた。各地の蒸留所で研究を重ね、昨年4月にウイスキーの製造免許を取得。11月に初めてのウイスキーが完成した。 「右田」ブランドのウイスキーは6種類あり、1本1980~5500円。日本酒と同じく、益田川の伏流水を使い、まろやかな口当たりが特徴。原材料やたるの違いなどで、さまざまな味や香りが楽しめるという。 右田さんは「400年の酒造りの伝統を生かした新たな挑戦」と強調。地元に人を呼び込む狙いで、同社や県内の酒店、スーパー、道の駅などで販売している。右田さんは「多くの人に商品を知ってもらい、島根や益田に来る人を増やしたい」と意気込んでいる。
中国新聞社