演出家の体調不良で舞台「ゴドーを待ちながら」公演中止 異例の1か月前発表 中山翔貴「ご回復を心より祈っております」
6月22日から30日まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場中スタジオで上演される予定だった舞台「ゴドーを待ちながら」が、演出を担当する杉原邦生氏の体調不良のため、公演を中止することが分かった。29日に杉原氏の公式サイトで発表した。 「【重要なお知らせ】KUNIO16『ゴドーを待ちながら』公演中止のお詫び」と題した文章をアップ。「平素よりKUNIOをご愛顧くださり、誠にありがとうございます。この度、2024年6月22日(土)から6月30日(日)まで、KAAT神奈川芸術劇場にて上演予定のKUNIO16『ゴドーを待ちながら』について、本作品の演出を担う杉原邦生の体調不良のため公演を中止する運びとなりました」と報告。「ご来場を楽しみにお待ちいただいていたお客様には多大なご迷惑をおかけしますことを、深くお詫び申し上げます」と謝罪し、「公演中止に伴う前売チケットの払戻し方法につきましては、後日、下記の公式サイト内にてご案内いたします。今しばらくお待ちくださいますようお願いいたします。払い戻しのご案内までチケットはお手元にお持ちくださいますようお願いいたします」とした。 「ゴドーを待ちながら」は、サミュエル・ベケットが1952年にフランス語で初出版し、その翌年にパリで初演されて以降、不条理演劇の代名詞として多くの演出家によって上演し続けられている戯曲。今回は杉原氏による公演カンパニー「KUNIO」による舞台で、2016年に英文学者の河合祥一郎氏が新翻訳を行った台本(未出版)を元に上演を行う。俳優の中山翔貴や小田豊、外山誠二、大村わたる、リー5世が出演を予定していた。 初の舞台出演を予定していた中山翔貴は、自身のインスタグラムで公演中止を報告。「楽しみにしてくださった皆さん申し訳ございません。KUNIO16『ゴドーを待ちながら』が公演中止となりました」と伝えた。「初舞台の予定でしたが、また舞台に立てる日がまた決まりましたら、皆さんにお知らせできるよう頑張ります。そして、杉原邦生さんの体調のご回復を心より祈っております」とつづった。 杉原氏は1982年、東京都生まれ、神奈川県茅ケ崎育ち。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学) 映像・舞台芸術学科、同大学院 芸術研究科修士課程修了。学科在籍中より、演出・舞台美術を中心に活動。2004年、自身が様々な作品を演出する場として、プロデュース公演カンパニー「KUNIO」を立ち上げた。近年の主な演出作品は、2019年-2020年スーパー歌舞伎Ⅱ「新版 オグリ」、KUNIO15「グリークス」、2020年トライストーン・エンタテイメント「少女仮面」、シアターコクーン「プレイタイム」、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「オレステスとピュラデス」、2021年新生パルコ劇場オープニング・シリーズ「藪原検校」、KUNIO10「更地」、さいたまゴールド・シアター最終公演「水の駅」、2022年の「パンドラの鐘」、ホリプロ「血の婚礼」、2023年の三代猿之助四十八撰の内「新・水滸伝」歌舞伎座、南座など。
報知新聞社