【スプリンターズS 俺のチェックポイント】骨折休養から半年ぶりのルガル ぶっつけ本番の今回の取捨は?
スプリンターズSの「俺のチェックポイント」4日目は、大阪サンスポの斉藤弘樹記者が、今春の高松宮記念で1番人気に支持されて10着に敗れたルガルに注目した。骨折明けで半年ぶりの実戦となるが、調整過程も動きも良く、仕上がりに不安はなさそう。現役屈指のスプリント能力の持ち主だけに、巻き返しは十分にありそうだ。 今春の高松宮記念で1番人気に推されて10着に敗れたルガル。今回は人気急落ムードだけに、馬券的妙味を考えても気になる存在だ。今回はどう判断すればいいのか。杉山晴調教師を取材した。 「おかしいなと思ったら、歩様が乱れて膝を骨折していた。レース中に何かしらアクシデントがあって、あの結果だったのは間違いないです」 こう振り返る高松宮記念は好位をスムーズに進むも、直線で伸びあぐねた。そして、レース後に膝の骨折が判明。参考外の一戦とみていい。 その高松宮記念を除けば芝のスプリント戦は全て重賞で3戦して1勝、2着2回。重賞初制覇を決めた2走前のシルクロードSは、2番手から抜け出して3馬身差の快勝だった。指揮官が「シルクロードSあたりから完成の域に達している印象」と評する充実一途の4歳馬。あの勝ちっぷりなら十分にGⅠレベルで戦える力は備えている。 今回の一番のポイントは仕上がり具合。骨折明けで半年ぶりの実戦がGⅠだけに甘くはないが、調整過程は順調そのものだ。8月28日に栗東トレセンに帰厩後はプールを併用しながら慎重に立ち上げ、時間をかけて負荷を強めてきた。もともと攻め駆けするタイプながら、3週連続で栗東坂路でラスト1ハロン11秒台をたたき出しているように、時計の出方は好調時と遜色ない。気合乗り、フットワークともにブランクを感じさせない。 「リハビリもすごく順調。1週前追い切りが終わった後から明らかにストライドが大きくなり、そこからグンと馬が良くなりました」 トレーナーは急上昇ぶりに手応えを感じる。スタートが安定してきた今なら、初の中山でも立ち回りのうまさが生きそう。週末の天気予報は流動的だが、不良馬場の橘Sを快勝しているように馬場不問だ。金曜に確定する枠順次第では、十分にチャンスのある一頭になるだろう。(斉藤弘樹)