「政治とカネ」 国民は飽き飽きーコント集団「ザ・ニュースペーパー」の福本ヒデ氏
国民はしっかり見ている
とはいえ、政治家の感覚が庶民とかけ離れていることは否めません。庶民感覚からすると、「政治活動にはカネがかかる」といくら説明されてもさっぱり分かりません。 昔の話ですが、「庶民派」を売りにするリベラル派の議員さんが高級車に乗り込むところを目撃しました。イメージとの違いに驚き、「何だかなあ~」という気がしました。国会議員はほんの近くへの移動にも、多くの人は高級車を使います。そうした姿、行動を国民は見ているから、「カネがかかる」と言われても納得しかねます。 国会議員は、国民が暮らしやすくなるために法律をつくることが仕事です。それにどうして多くのお金がかかるのか、使い道はどうなっているのか、そういったことを学校で教えるようにしてはどうでしょうか。「政治は難しい」「政治家は隠し事をしている」といった声が減り、投票率も上がるのではないかと思います。 父親と一緒にコントを見に来てくれた少年が、「お父さんたちが笑っていたのに、僕はなぜ笑ったのか分からなくて悔しかった。政治について勉強してまた来ます」と話してくれました。とても頼もしく思いました。 「政治に興味がない若者が多い」ともいわれるので、私たちのコントで笑ってもらい、関心の扉を開いてもらえるとうれしいですね。 聞き手:nippon.com編集部・住井亨介
【Profile】
福本 ヒデ 時事ネタを得意とする社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」のメンバー。1971年、広島県出身。97年に入団し、さまざまな政治家キャラを演じ分ける。石破茂首相、安倍晋三元首相、麻生太郎元首相、野田佳彦元首相、鳩山由紀夫元首相ら5人の首相役を担当する。美術に造詣が深く、美術検定1級(アートナビゲーター)の資格を持つ。絵画も描き、画廊などでの個展も開いている。