「勝負飯をかなり事前研究するタイプ」…師匠が語る棋士・藤井聡太 福井県で杉本昌隆八段がトークショー
10月に福井県あわら市で行われる将棋の第37期竜王戦第2局をPRする「将棋まつりin一乗谷」が8月31日、福井市の県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館分館で始まった。藤井聡太竜王(22)=名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖との七冠=の師匠・杉本昌隆八段(55)のトークショーがあり、弟子の強さの秘密や竜王戦の見どころなどを紹介し、約70人の聴衆を沸かせた。 杉本八段は、藤井竜王が小学1年生の時に出会い、4年生から弟子として指導するようになった。当時から才能が輝いていたといい「ひらめきが常人ではなかった。順調に伸びれば羽生善治九段を超える才能があると思った」と振り返った。師匠と弟子の関係である一方、プロの世界ではライバル。2020年には竜王戦の予選にあたるランキング戦の決勝で対局した。「優勝賞金で10年乗っていた車を買い替えることをモチベーションに戦った。車は今14年目に突入しました」とエピソードを披露し、聴衆を笑わせた。 藤井竜王の対局で話題になるのが勝負めし。「(藤井竜王は)いい勝負をするために欠かせないものとしてこだわりは強い」と紹介。「かなり事前研究するタイプで、ご当地のものを意識して選んでいると思う」と話した。 竜王戦挑戦者の佐々木勇気八段(30)については「天才棋士で大一番に強い印象。面白い勝負になると思う」と分析。藤井竜王に向け「いつもと変わらない調子でやってもらえたら」とエールを送った。 まつり会場では、将棋の指し方を学べるコーナーや将棋駒ストラップ作り、竜王戦の歴史や現代将棋にはない駒「酔象(すいぞう)」を加えた朝倉象棋(しょうぎ)を紹介するパネル展示などもあり、訪れた人たちが将棋の魅力に触れていた。
福井新聞社