左から中村隼人、松本幸四郎、尾上菊之丞

　歌舞伎俳優の中村隼人（３１）が１６日、東京都内で歌舞伎座の来年１月公演で上演する新作歌舞伎「大富豪同心」（１月２～２７日）の取材会に出席した。 　幡大介さんの長編時代小説が原作で、大富豪が同心となって難事件を解決する物語。主人公の八巻卯之吉を演じる隼人は２０１９年から放送されたＮＨＫＢＳ時代劇「大富豪同心」シリーズでも同役を演じ、今回は卯之吉と幸千代の二役に挑戦。共演の松本幸四郎（５１）は歌舞伎座で初めての演出も手がける。 　初主演ドラマの新作歌舞伎化に隼人は「５年ぐらい育ててきた役をどうやったら歌舞伎に落とし込めるか楽しみ」とキッパリ。「時代の流れにうまく乗っかった作品。多様性で１人の力は小さなもの、一致団結して取り組んでいくというテーマ」とシリーズ化されている人気の背景を解説した。 　また、およそ強いリーダー像とは真逆の主人公について「刀を見ると気絶する、助けてあげたいと思わせる人物。眼目は気絶だと思う」と見どころをアピールした。 　演出について幸四郎は「隼人くんのキャラクターを引き出せるように作っていきたい」と意気込み、「総踊りは、あります！」「早変わりは予定では１１回！」と次々に具体的な内容を明かし、隼人は「多いですね」と驚いていた。