5月31日に火星が地球に最接近、ハッブルが捉えた火星の地形を見る
津波の痕跡、海と生命の可能性
さて、火星の北側の平原は、はるか昔に海岸だったような地形をしています。その原因について、隕石の衝突による津波によって形成されたのではないかという研究成果が最近になって発表されました。 研究によると、約34億年前、巨大な隕石が数百万年の間隔で二度にわたって火星に衝突。その衝撃で巨大な津波が発生し、巨大な岩石が内陸に取り残されたり、水が海に戻る前に完全に凍ったりしてしまったようなのです。
津波? ということは火星に海があったことになります。しかし、実際に海があったかどうかは、はっきりとしていません。ただ、津波の跡と思われる凍った暗い影のような地形も見つかってもいます。これについてはさらなる研究が必要です。 塩には、水を液体に保つのを助ける働きがあります。冷たく塩分のある海水は極限の環境でも生命を守ってきたかもしれません。火星にかつて海があり、生物がいたのだとしたら、この暗い影のような領域は、生命の痕跡を探すのに適した候補地の一つだと言えそうです。 (監修:アストロアーツ)