パリコレ最終日に「サンローラン」がメンズショー 強さと柔らかさを併せ持つクラシックスーツ
「サンローラン(SAINT LAURENT)」は、2024-25年秋冬パリ・ウィメンズ・ファッション・ウイーク最終日の3月5日21時(現地時間)から、24-25年秋冬メンズ・コレクションのランウエイショーを開いた。会場は、同ブランドを擁するケリング(KERING)のフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)会長兼最高経営責任者の個人コレクションを展示する現代美術館「ブルス・ド・コメルス(BOURSE DE COMMERCE)」。かつて穀物取引場や証券取引所として使われていた歴史的建築物を建築家の安藤忠雄が改修し、21年にオープンした場所だ。「サンローラン」は23年1月にもここでショーを開催。円筒状にそびえたつコンクリートの壁で囲まれ、柔らかな黒のカーペットが敷かれた空間は、アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)が手掛ける「サンローラン」の美学に共鳴する。 【画像】パリコレ最終日に「サンローラン」がメンズショー 強さと柔らかさを併せ持つクラシックスーツ
150人もいないであろう限られた観客の中には、俳優の山﨑賢人やSEVENTEENのジョンハン(Jeonghan)、NCTのテン(Ten)からラッパーのキッド・カディ(Kid Cudi)や俳優のエヴァン・モック(Evan Mock)、ミュージシャンのコナン・グレイ(Conan Gray)まで、現代の「サンローラン」の男性像を映し出すセレブリティーたちの姿もあった。
イヴ・サンローランそっくりのモデルで幕開け
往年の「イヴ サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」のクチュールショーのセットをほうふつとさせるダークな色調の花々で飾られたアーチからまず現れたのは、若かりし日の創業者イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の面影を感じる華奢で繊細なモデル。パワーショルダーを取り入れたクラシックなダブルブレストジャケットと太めのパンツというチャコールグレーのスーツに、黒のネクタイを締めた白いシャツ、光沢のある黒のレザーシューズ、そして黒縁のメガネを合わせたスタイルで、ランウエイを颯爽と歩いた。その後も序盤には何度かサンローランのような風貌のモデルが登場。そこには、ヴァカレロのムッシュ・サンローランに対する敬意が込められているようだ。