<サッカー>協会国家代表戦力強化委員長、突然の辞意…また混乱する「監督選任」
大韓サッカー協会(KFA)の漂流が続いている。韓国代表の次期監督選任がまた延期されることになった。2月から監督人選作業を主導してきたKFA国家代表戦力強化委員会(以下、強化委)の鄭海成(チョン・へソン)委員長が突然辞意を表明した。 鄭海成委員長は先月28日、ソウル鍾路区(チョンノグ)新門路(シンムンロ)サッカー会館を訪問し、辞意を明らかにした。KFAは鄭委員長の復帰を待つものの、タイトな日程を勘案し、ひとまず李林生(イ・イムセン)技術発展委員長を中心に強化委を運営することにした。 強化委は2月から新代表監督選任作業を進めてきた。3月と6月のAマッチの前までに正式監督選任作業を完了するという計画を立てたが、実現しなかった。このため黄善洪(ファン・ソンホン)監督(3月)と金度勲(キム・ドフン)監督(6月)を臨時の指揮官にして対応した。6月のAマッチを終えた後、3度目の監督選任を進行中だが、鄭委員長が辞意を表明したことで関連作業がまた漂流することになった。 サッカー協会事情に詳しい関係者は30日、「強化委は韓国人1人、外国人3人の計4人の指導者に最終候補群を絞った」とし「鄭委員長が韓国人監督に重点を置いたリストを提出したが、サッカー協会のトップ層は外国人監督の選任を期待した状況であり、意見の衝突が発生したと把握している」と話した。 鄭海成委員長の辞意表明に対するサッカー界内外の反応は冷たい。「パリオリンピック(五輪)出場を逃した責任を取って退くべきだったが、タイミングも方法も間違っている」という声が多い。 鄭委員長は3月のAマッチを控え、当時パリ五輪アジア最終予選を準備中だった黄善洪(ファン・ソンホン)五輪代表監督(現大田ハナシチズン監督)にA代表の臨時監督を兼任させた。サッカー界の内外で「パリ五輪本大会進出が韓国サッカーの核心課題の一つであるだけに黄監督が五輪に集中できるようにするべき」という声が多かったが、「問題が生じれば私が責任を取る」として主張を曲げなかった。 鄭委員長はその後、黄善洪監督の五輪代表が五輪出場を逃す惨事が生じたが、沈黙で一貫した。これという釈明または謝罪もなく、静かにA代表監督選任作業を続けてきた。 このような時期に強化委員長が一方的に辞意を表明してさらなる混乱を招いたというのが、サッカー界の大半の意見だ。27日、韓国をはじめ北中米ワールドカップ(W杯)アジア3次予選に臨む18チームの組み合わせ抽選が行われた。9月から3次予選が始まる。監督選任をこれ以上先送りできない時期に関連実務総責任者の強化委員長が辞意を表明したのは理解しがたい行動だ。 鄭夢奎(チョン・モンギュ)大韓サッカー協会長も非難されるべきだ。当初、強化委の役割だったサッカー代表監督任免権限を鄭会長が握り、強化委の活動に制限を加えた原罪があるからだ。6月のAマッチに先立ち強化委はジェシー・マーシュ元リーズ・ユナイテッド監督(米国)、ヘスス・カサス・イラク代表監督(スペイン)らを最終候補としたが、2人とも契約には至らなかった。決定権がない強化委の代わりに両監督と協議に入ったKFAが年俸・勤務形態など契約条件の隔たりを狭めることができなかったからだ。 サッカー界の関係者は「強化委が30日の非対面会議を通じて、最終候補群のうち外国人監督を中心に優先順位を置いた」とし「李林生委員長が欧州に渡って面接を進める手続きが追加され、監督選任日程は少し遅れるとみられる」と伝えた。