“SNS映え富士山”の撮影スポットにキッチンカー 富士・国道139号「夢の大橋」で社会実験 地域活性化の起爆剤に
富士市蓼原の国道139号にある「富士山夢の大橋」で8日、市の社会実験として、キッチンカーの出店が始まった。SNS映えする富士山の撮影スポットとして、訪日外国人を中心に人気を集める新しい観光名所。市と国交省による対策の成果でオーバーツーリズム(観光公害)が収束し、地域活性化の起爆剤として利活用を検討する。 キッチンカーは市と同省、地域住民でつくる「『富士山夢の大橋』地域と観光を考える会」で提案があり、試験的に始めた。富士、富士宮、静岡市の飲食や着物レンタルの8店舗が12月末まで日替わりで出店する。 初日に店を出したクレープ販売「くれゑぷびより」(富士宮市)の斉藤奈美子さん(44)は「外国のお客さまがたくさん来てくれたらうれしい」と期待した。富士市は社会実験に合わせ、地元産の富士ヒノキを使ったベンチを10カ所に設置した。 富士山夢の大橋は地元の生活道路だったが、SNSで情報が広まり、昨秋から外国人観光客が急増。道路に入っての撮影や迷惑駐車、ごみ放置などのマナー問題が顕在化した。同市と同省は対策として駐車場や仮設トイレ、立ち入り防止柵を設けるとともに、交通誘導員を配置し、トラブルはほぼなくなったという。 市によると、1日100人前後の観光客が訪れている。富士山が雲に隠れることの多い夏季は減ったが、10月以降に再び増え始め、300人を超える日も出ているという。 日中でも富士山が見える時間帯が増え、冠雪する今後はさらに多くの観光客が詰めかけるとみられている。市は富士山の別の眺望スポットや観光名所、特産品のPRを強化する方針で、小長井義正市長は「回遊性につなげ、より大きな経済効果を生み出したい」と話す。
静岡新聞社