2025年卒の学生採用選考解禁 企業説明会など活発化 「働きやすさ」アピール
来春卒業予定の大学、短大、専門学校生らを対象にした採用面接などの選考活動が1日に解禁され、静岡県内でも合同企業ガイダンスや就職面接会などが始まった。人手不足を背景に学生優位の〝売り手市場〟が続く中、企業は休日の確保や研修制度の充実などで働きやすさを強調。大企業を中心に内定の早期化が進み、学生も自分に合った仕事を求めて就職活動を本格化させている。 静岡労働局などが主催の「しずおか就職フェア」は3日、浜松市を皮切りにスタートした。社会福祉法人「三幸会」(浜松市)のブースでは、育児休暇取得率と取得後の復職率がともに「100%」とする張り紙で良好な職場環境をPR。介護人材の確保が難しい中でも全体の離職率を8%に抑え、担当者は「職員との対話を大切に職場を改善している」と説明した。 輸送機器の部品製造を手がける三洋製作所(湖西市)は、尾崎将典社長が「うちは夜勤なし」「工場は冷暖房完備」などと紹介。実際の製品も示して製造業の魅力を語り、仕事のイメージを持つためにも「工場見学に来てほしい」と呼びかけた。転職活動の活発化で人材の流動化が社会的に広がる中、「10年後も人手を確保できるか。若い人に定着してもらいたい」と語る。 浜松市内の専門学校に通う佐々木愛理さん(20)は、周囲の4分の1ほどが既に内定を受けているといい、「焦りもあるが、じっくり取り組みたい。長く勤められるよう職場の人間関係は大切な要素」と強調した。専門学校生の小沢拓巳さん(19)も「まずは情報をしっかり集め、自分に合う職場を見極めたい」と話した。 しずおか就職フェアは計40社が参加し、学生ら60人が訪れた。7日に静岡市のグランシップ、11日に沼津市のプラサヴェルデでも開かれる。
静岡新聞社