米史上初〝有罪大統領〟トランプ vs 最高齢〝86歳大統領〟バイデン。爆誕するのはどっち!?
2016年に共和党のトランプが大統領になり、2020年に民主党のバイデンが大統領になり、2024年には第47代大統領選挙があるけど、結局このふたりの戦いになりそう! でも、どちらが勝つにせよ、世界の混乱は不可避!? 【写真】有罪大統領・トランプと86歳の大統領・バイデン * * * ■刑務所からホワイトハウスへ 今年11月に次期大統領選挙を控えているアメリカ。「今回の選挙はアメリカ政治史上、極めて重要かつ異例なものになるでしょう」と語るのは、米現代政治が専門の国際政治学者で上智大学教授の前嶋和弘氏だ。 「まず異例なのが、すでに共和党はトランプ、民主党はバイデンと、各党の大統領候補が、ほぼ確定している点です。 大統領選は1月15日にアイオワ州で行なわれる共和党の党員集会を皮切りに、両党の予備選挙がスタートします。しかし、共和党は再選を目指すトランプが、支持率でライバルを圧倒的に引き離しており、フロリダ州知事のロン・デサンティスをはじめとした他候補に勝ち目はもはやありません。 そのため、いつもなら注目を集める共和党候補のテレビ討論会にもトランプは出演せず、『勝ち目のない候補同士で激論を交わす』というシラケきった光景になっていて、片やトランプは別の番組に単独で出演して、取り巻きのような司会者を相手に好き勝手にしゃべっています。 一方の民主党側も、アメリカでは伝統的に『政権与党が大統領選で現職以外の候補を立てると本選で負けるケースが多い』ため、事実上、現職のバイデン一択となっており、ほかの候補が選ばれることはまずありえない状況です。 つまり、本来なら大統領選の第1ラウンドである予備選が、実質的な意味を持たない茶番になっているのです」 ふたつ目の異例は、トランプの犯罪を巡る裁判の存在だ。 「彼は現在、①2021年1月に起きた連邦議会襲撃事件の扇動、②大統領退任後の機密文書の不正な持ち出し、③ジョージア州で2020年の大統領選挙の結果を不当に覆そうとした疑い、④不倫疑惑のもみ消し、という4つの犯罪の被告として検察に起訴されています。 ちなみに、アメリカの憲法では、裁判で有罪判決を受けて収監されても、大統領選の候補になれます。実際、1920年にはスパイ容疑で投獄されていたユージン・デブスというアメリカ社会党の候補が刑務所の中から選挙運動をして、一般投票で3%ほど票を獲得した例もあります。 仮にトランプに有罪判決が下され、彼が刑務所に収監されるような事態になっても、『共和党の大統領候補が刑務所からホワイトハウスを目指す』ことになりますし、11月の本選に勝利すれば『新大統領が刑務所にいる』という異常事態にもなりかねません」 とはいえ、さすがのトランプでも有罪で刑務所に、となれば勝ち目はないのでは? 「それが、そんなこともないんです。そもそも、トランプ支持者の中には『バイデンが勝った2020年の大統領選挙結果は不正に盗まれたものだ』と本気で信じている人が多いので、彼への犯罪の容疑も陰謀や妨害だと考えます。言ってしまえば、彼らにとってトランプは『現職の大統領』。 そんなトランプが収監されれば、『バイデン陣営の陰謀だ!』と、その支持熱がいっそう激化するでしょう。 議会襲撃を扇動したとして、コロラド州最高裁がトランプの予備選出馬の資格剥奪を決定しましたが、これもむしろトランプ支持者の結束力を強めるように見えます。 実際、トランプが起訴されたり、裁判に出廷したりするたびに、彼への支持が高まるという現象が起きていて、彼の裁判費用を集めるキャンペーンには、トランプの顔写真入りマグカップやTシャツの返礼品を目当てに、巨額の寄付金が集まっているそうです」