『虎に翼』鷲尾真知子が醸し出す“緊張感” 梅子の義母・大庭常は第13週の鍵となるか
『カムカムエヴリバディ』とは正反対の役柄になりそうな鷲尾真知子
『カムカムエヴリバディ』のひさはあたたかさに満ち溢れていた一方、第13週の予告編で鷲尾演じる常が言った「あなたが悪いんですよ」の声色は、落ち着き払った口調ながらもどこか突き放すような冷たさがあり、心をざわめかせた。公式サイトの人物紹介には、「いつも威厳を保ち梅子や孫たちに厳しくあたることも」とある。遺産相続で揉めていると思しき場面では、凛とした姿勢ながらも呆れたように目を瞑り、口を閉ざす姿が見られ、予告編からでも十二分に彼女の威厳が漂っていた。揉めている息子たちと思しき男性陣よりも手強い相手なのではないだろうか。 鷲尾自身がよせたコメントには、「物心ついたときに周りの大人たちに抱いていた感情、とくに祖母への想いを、この役をいただいて改めて思い出しました。あの時代に生き抜いていた女性たちの強さ、常さんと同じくらいの年齢の女性の匂いを表現できればいいなと思っております」(※2)とあるが、鷲尾が表現する“あの時代に生き抜いていた女性の強さ”というのが、梅子の背中を押すのか、はたまた立ちはだかる障壁となるのかはまだ分からない。とはいえ、常は梅子から長男を引き離した張本人であるし、「あなたが悪いんですよ」という印象的な言葉を発した常のまなざしは梅子に向けられているようにしか見えず、常が梅子の障壁となる可能性は高い。 たった数秒の出演シーンで、『カムカムエヴリバディ』のひさ役で感じられた心温まる感じとはガラリと違う印象を残している鷲尾。予告編で見せた梅子の硬い表情、涙を流しながら高笑いをする姿もあいまって、第13週は胸を締め付けるような苦しく、厳しい結末が待ち受ける予感がしてしまう。 参照 ※1 https://wendy-net.com/mswendy/backnumber/ms202206/ ※2 https://realsound.jp/movie/2024/05/post-1667218.html
片山香帆