【静岡県知事選】自民、選挙戦略見直し論も 塩谷氏離党と宮沢氏辞職願提出受け
自民党の塩谷立氏(衆院比例東海)が離党し、宮沢博行氏(同)が議員辞職願を提出したことを受け、県内の自民党関係者からは目前に迫った知事選(5月9日告示、26日投開票)への影響を懸念する声が上がった。23日には党県連が元副知事大村慎一氏(60)の推薦を党本部に上申したが、選挙戦略の見直しを迫られる可能性もある。 大村氏は特定の党派に偏らない「オール静岡」を掲げる。県連内には「国政と地方選挙は別問題で、影響はない」との見方がある一方、県連幹部は「自民推薦が候補者のマイナスイメージにならないようにする必要がある」と指摘し、「自民色」を抑えて選挙戦を展開すべきとの認識を示した。 塩谷氏の離党が既定路線とされていたのに対し、宮沢氏は突如、女性問題を理由に議員辞職の意向を固めたとされる。18歳の女子学生に飲酒をさせたと週刊誌に報じられて離党した吉川赳氏(衆院比例東海)を想起する声も。ある県議は「『政治とカネ』の問題を払拭できない中での不祥事。政治不信は高まるばかりだ」と厳しく批判した。 空席となる支部長ポストも課題だ。自民県連の城内実会長(衆院静岡7区)は22日の記者会見で、塩谷氏が地盤とする衆院静岡8区支部について「どういう形になるかを含めて全く未定。丁寧にやっていく必要がある」と述べるにとどめた。宮沢氏の議員辞職によって新たに3区の支部長ポストの問題も浮上。早期の衆院解散が取り沙汰される中、対応は不透明だ。 ■自民県連、大村氏推薦を党本部に上申 自民党県連は23日、知事選に立候補を予定する元副知事大村慎一氏の推薦を党本部に上申した。城内実会長は、上申書を手渡した茂木敏充幹事長から「全面的に支援する」との返答があったことを明らかにした。上申後、記者団の取材に答えた。 城内会長や増田享大幹事長ら県連三役、県内選出の同党国会議員が茂木幹事長を訪ね、早期の決定を要請した。城内会長は「『自民党の組織を動かすよう指示する』との言葉があった。心強い」と語った。増田幹事長も「全面的な支援をしてもらえるということだった」と述べた。 党本部の推薦の時期については、党公認候補が出馬した衆院島根1区補選の選挙中でもあるとして「(静岡)県連とも相談しながら考えていきたい」との内容だったとした。 城内会長らは、小渕優子選対委員長とも面会し推薦を要請した。
静岡新聞社