ダークネス山崎育三郎がヤバすぎる…思わず圧倒されたワケ。最終回に残された謎とは?『ザ・トラベルナース』第8話考察レビュー
ドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系)が放送中。手術場で医師を補助し、一定の医療行為ができる看護資格「NP」を持つ那須田歩(岡田将生)と、スーパーナースの九鬼静(中井貴一)の曲者コンビが命の現場で戦う。今回は、第8話のレビューをお届け。(文・浜瀬将樹)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】山崎育三郎の”ダークネス”な芝居が見逃せない…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『ザ・トラベルナース』劇中カット一覧
おなじみとなった静(中井貴一)の広島弁ブチギレ
とうとう院長・薬師丸卓(山崎育三郎)の過去が明らかとなった。1年半前まで西東京総合病院で働いていた元看護師・八木めぐみ(若村麻由美)が入院したことで、物語が大きく動き出したのだ。 公職選挙法違反の疑いに関する記事が出る政治家・灰原和男(大和田伸也)は、西東京総合病院にて雲隠れすることに。しかし、灰原が個室に入ったことで、その個室に入る予定だった患者・川尻公子(山下容莉枝)が大部屋に押し出されてしまった。公子は、精神的にも疲弊しており、ベッドで涙を流す日もあった。 一方、灰原は要求が多く、セクハラもし放題。看護部長の愛川塔子(寺島しのぶ)は、必要な補助金を得るため灰原に頭が上がらない卓と、不満爆発のナースたちとのあいだで板挟みとなる。 しばらく経ったある日、静は強引に灰原がいる個室へ川尻を、灰原には大部屋を案内した。もちろん灰原は反発する。 「なんでこんな庶民どもと私が…。私は院長に話を通してあるんだ。ナースは黙って言うことを聞いていろ!」、「俺を誰だと思っているんだ」と暴言を吐く彼に塔子が反論すると、静もまた「おどれが誰か? 『病気じゃ』と嘘ついて隠れとる卑怯者じゃい!」と怒りを露わにした。 中井の「広島弁ブチギレ」は本作の風物詩となっているが、これまでよりも一層怒りがこもっているシーンだった
院長(山崎育三郎)が見せた悪魔の表情
病室を強引に移し替えたことや灰原とバトルしたことをきっかけに、卓は塔子と静との契約を切ることに。ここまで病院のために働いてきた2人なのに…あんまりだ。 卓と解雇通知をされた塔子のもとにめぐみがやって来る。彼女曰く、苦しんでいる患者をないがしろにし、塔子たちをクビにするのは「約束が違う」という。約束とは、どういうことなのか? ここで、めぐみが突然病院を去った理由が明かされた。 1年半前のこと。外科部長就任をかけて、理事長との顔合わせがあったある日、患者に異変が起きた。めぐみから「戻ってこられないか」と連絡がきたが、指示を出して顔合わせを優先。 結果的にこの誤った判断で患者を死なせてしまったため、卓は「私はこの病院を。いや、日本の医療を改革しなければいけないんです」とめぐみに土下座し、身代わりになるよう懇願したーー。 こうしてすべてを明かされた卓だったが、彼は悪魔のように笑い「証拠があるんですか? なければ、クビになった惨めなナースのたわ言です」と一蹴する。 「患者の命に優先順位があるのは当然のことです。雇用される側も同様です。ただのナースと医師である私。どちらがより価値があるか。考えるまでもないでしょ」 塔子もめぐみも彼のふるまいに唖然としていたが、つい私も驚いてしまった。邪魔なものは排除する…そこまでして「日本の医療を改革したい」という自分の夢を叶えたいのか。 というか、その発言はすべてを破綻させる一言だ。目的のためなら手段を選ばないのか。そんなことで夢を手にしても何も残らないのに。 また、ファンの方はご存知かもしれないが、あまりイメージのなかった「ダークネス育三郎」爆誕の瞬間にドキドキした。最高すぎる演技で圧倒された場面でもあった。