“指先しか動かない夫”と一緒にいることで「以前よりも自分のことが好きになれた」 車椅子ユーザーの夫と息子の3人の生活を発信する思いを妻に聞いた
脊髄性筋萎縮症は、筋肉を動かす運動神経細胞が変化し、手や足などの筋肉が弱くなっていく病気です。 【写真5枚】瞳さんと旦那さん、お子さんの家族写真 瞳(@hrtekuwaku)さんの旦那さんは脊髄性筋萎縮症です。Instagramでは、家族の日常や旦那さんの車いすでの生活などについて投稿しています。 旦那さんとの結婚生活やこれまでのことなどについて、瞳さんに話を聞きました。
旦那さんの症状ついて
旦那さんの脊髄性筋萎縮症がわかったのは1歳の頃。つかまり立ちまでできたものの1歳半になっても歩くことができなかったため、母親が病院に連れて行きました。そのときにお医者さんから「この子は一生歩けません」と宣言されたといいます。 脊髄性筋萎縮症の主な症状は、筋力が徐々に衰えていくというもの。昔は車いすを自分でこいだり、鉛筆を持って書いたり、自分で食事を食べたりすることもできた旦那さんですが、現在は体のなかで動くのは指先と表情だけです。そのため、車いすや携帯の操作・パソコン入力を除くすべてのことに介助が必要です。 また、生命に関わる呼吸の部分でも、年々呼吸をする力が弱まっていくため、夜間のみ人工呼吸器を装着して寝ています。 ー旦那さんへのサポートについて大変なことはありますか?もしある場合はどのように解決していますか? 夫は私と結婚する10年ほど前から24時間の介助を受けて一人暮らしをしていました。また、付き合い当初から介護者を入れて生活したい旨を伝えられていたので、現在も夫にはほぼ24時間介助者が交代でついています。そのため、私は夫の身体介助をすることはほとんどありません。その代わり、24時間他人が家にいる生活は、プライバシーやプライベートの確保の面で大変です。 瞳さんはもともと介護の仕事をしており、旦那さんの介護をすることができます。そこで月に1回程度、日帰りや1泊で家族だけで出かける時間を作っているのだそう。「やはり家族だけの時間はリラックスして過ごせるので、大好きで大切な時間です」と瞳さんは話しました。 また、食事作りや洗濯など家事の部分では分担はできないため、瞳さんがメインで行っています。このことについては「気になりません」と瞳さん。それは、旦那さんがいつも「主体者」でいてくれるからなのだそう。瞳さんが作ることを当たり前とせず「作ってもいいし、買ってきてもいい、今日はどうしようか?」と一緒に考えてくれるので「孤独を感じずに、一緒にやっている感覚になれます」と瞳さんは言います。 また、旦那さんは文句を言わず「ありがとう」と言葉で伝えてくれるからこそ、瞳さんもそれだけで報われるのだとか。 「生活のなかで何か困ったことがあればとにかく話し合いを大切にし、解決するようにしています。そのため、思い違いなど生活のなかでのストレスが歳を重ねるにつれどんどん減り、年々仲良くなっていっています。自分たちで解決できることは努力する。自分たちにはどうしようもできないことは、ある程度の諦めの気持ちとおおらかな気持ちでいることが大切なことなのかなぁと思っています」