チャールズ国王、自分の肖像画が印刷された紙幣を贈られる「とても上品だ」
2022年9月にエリザベス女王が亡くなったのに伴い、イギリスの君主となったチャールズ国王。イギリスでは君主が描かれた紙幣が使われているが、国王の肖像画が印刷された新しい紙幣が完成。流通前に国王に贈呈された。放送局「BBC」など複数のマスコミが報じている。 【写真】エリザベス女王の、最も美しく威厳に満ちたポートレート＆肖像画15
現地時間4月9日（火）にバッキンガム宮殿でイギリスの中央銀行のアンドリュー・ベイリーと紙幣の発行の責任者であるサラ・ジョンの訪問を受けた国王。がんの治療中ではあるが、元気そうな様子だった。自分が描かれた紙幣を見せられると「とても上品だ」といつものイギリス風ユーモアを交えて答えていた。
肖像画は2013年に撮影されたポートレートをもとに作成、5ポンドと10ポンド、20ポンドと50ポンドの紙幣に印刷されている。エリザベス女王は冠を被った姿で描かれていたが、国王は被っていない。イギリスでは新しい紙幣が完成するとまず君主に贈るのが伝統になっている。今回国王には紙幣番号「00001」のものが渡された。
新しい紙幣は6月5日から流通する。これまで使われていたエリザベス女王の肖像画のものも引き続き使用できる。中央銀行は紙幣の発行に当たって「英国王室から示された、環境と財政への影響を最小限に抑えるためのガイダンスに従った」と声明を発表している。長年環境問題に取り組み、即位してからはスリムな王室を目標に掲げている国王らしさが感じられる。
ちなみにイングランド銀行が発行する紙幣に君主の肖像が描かれるようになったのは1960年から。つまりエリザベス女王の肖像から切り替えられるのは今回は初めて。ベイリー総裁が国王にそのことを伝えると国王も「それはとても驚くべきことだ」と反応していた。君主が変わり、すでに切手と貨幣はチャールズ国王の肖像画をデザインしたものが流通している。BBCによると新紙幣の導入は国王の即位に伴って行われた一連の変更の中で最後の大きなステップ。キャッシュレスが進む昨今だけれど、夏休みにイギリスを旅行する人はぜひ紙幣を手に取ってみて。“とても上品”な国王の肖像画にお目にかかれるはず。
