米財務副長官 単独インタビュー ロシアへの経済制裁「北朝鮮含め強化を」【WBS】
アメリカ財務省「ナンバー2」のウォーリー・アデエモ財務副長官。ロシアがウクライナへ軍事侵攻をして以降、ロシアへの経済制裁を主導するキーパーソンです。そのアデエモ氏が、テレビ東京の単独インタビューに応じ、ロシアに協力する北朝鮮も含めた制裁の強化を訴えました。 アデエモ財務副長官は2年前のウクライナ侵攻の後に始めたロシアへの経済制裁の強化に向け、日本政府との協議のため来日しました。 「ロシアによる侵攻が続く限り経済制裁を続ける。それがウクライナとの約束だ」(アデエモ財務副長官) これまでアメリカは日本やEUなどとともにロシアに半導体の輸出制限などの制裁を科してきましたが、進行を止めさせるほどの効果は得られていません。 アデエモ財務副長官は、次なる措置として制裁で凍結させたロシアの資産をウクライナの復興財源に充てることを提案し、具体的な方法を検討していることを明かしました。 「(凍結したロシア)資産をウクライナのために使うよう複数の案を検討している。ロシアはウクライナに与えた損害分を支払わないといけない」(アデエモ財務副長官) さらに今、新たな制裁の対象としても注視しているのが、ロシアの武器の仕入れ先ともされる北朝鮮です。 「北朝鮮はロシアに武器を輸出しているが…?」(WBSの滝田洋一解説キャスター) 「急接近する北朝鮮とロシアがどのように資金をやりとりしているか注視している。その方法が分かれば北朝鮮を含めた関係先を新たな制裁対象とする」(アデエモ財務副長官)
対ロシア政策、次の一手は
アデエモ財務副長官が今回日本を訪問した一番の狙いは何なんでしょう。 「ロシアに対する制裁だ。同盟国との連携をがっちり固めるためで、日本政府の関係者ともかなり緊密な協議したとみられる(滝田解説キャスター) ロシアに対する制裁では抜け駆けをする国も多く、効果が弱まっているとの指摘もあります。 「確かにグローバルサウスと言われる南の新興国の中で抜け駆けしているところが多いのは事実。それで制裁の効果が弱まっているかとアデエモ財務副長官に聞くと、強く否定していた。例えばロシアから原油の輸出に対しては1バレル60ドルというキャップ上限を設けている。その制裁を破って輸入している国があるわけだが、そういった国は安値でロシアから買い叩いている。ロシアにとっても採掘コスト割れになって輸出していると強調していた」(滝田解説キャスター) ロシアの凍結資産をウクライナの復興に充てるという計画をしていますが、これは進むのでしょうか。 「アデエモ財務副長官はいくつかの案があると言っていた。これを日本を含む同盟国と今すり合わせている段階だと思われる。例えばロシアの凍結資産を預かっている金融機関には今でも金利の収入が入ってきている。いわば棚からぼたもちで儲けが出ているわけで、そういうところに対して資金の負担を求めるという提案だ。ただこれには銀行などが絡むので一筋縄ではいかないかもしれない」(滝田解説キャスター) ※ワールドビジネスサテライト