【高校野球】浜松商は西山侑杜が快投誓う…全国高校野球選手権静岡県大会7月6日初戦~話題校紹介
浜松商のマウンドを守るのは、本格派右腕の西山侑杜(いくと、3年)。そのフォームは独特だ。身長167センチで左足を顔の高さまで上げて、強いストレートを力いっぱい投げ込む。 まるで、ヤクルトの「ライアン」(元メジャーのノーラン・ライアンが由来)こと小川泰弘投手や、漫画「巨人の星」で大リーグボール2号を投げるときの主人公・星飛雄馬(左投げ)。「マサカリ投法と呼ばれたこともあります」と西山。確かに、昭和から平成にかけてロッテで通算215勝を挙げた村田兆治さんのダイナミックなフォームにも似ている。 中学生の硬式野球チーム「浜松インフィニティヤング」で2年時から投手。そのときに「身長がない自分がボールに勢いをつけるにはどう投げればいいのか」を考え、試行錯誤して習得した。高く上げた左足を踏み出したときの体重移動が、キレと球威を生み出すのだ。足を伸ばすための毎日のストレッチも欠かさない。 球速は120キロ台中盤ながら、制球力が抜群。鋭いスライダーをコーナーに投げ込み、三振を奪う。春先に右肘を痛めてしまったが、県大会後に復活。「安定してきました」と戸塚和也監督(50)は目を細め、主将の金子隼人一塁手(3年)も「試合を作ってくれます」と信頼を寄せる。 両親が応援していたことで「生まれたときから阪神ファンです」という。好きな投手は昨年MVPの村上頌樹を筆頭に「全員」だが、打ち取るイメージは西勇輝。甲子園に家族で何度も足を運んできた。 その聖地に向けて、高校生活最後の夏にエースとして臨む。「最少失点に抑えて優勝に貢献したい」。2000年を最後に優勝から遠ざかっている伝統校を、「令和のマサカリ投法」で頂点に導く。(里見 祐司)
報知新聞社