【全米女子プロ】渋野日向子「悔しいです」7位 メジャー2勝目ならず 逆転パリ五輪切符も消滅
<米女子ゴルフツアー:全米女子プロ選手権>◇最終日◇23日(日本時間24日)◇米ワシントン州サマミシュ、サハリーCC(6731ヤード、パー72)◇賞金総額1040万ドル(約16億1000万円)優勝156万ドル(2億4200万円) 【順位表】全米女子プロ選手権 最終成績 首位と4打差の5位から出た渋野日向子(25=サントリー)は、3バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの73と1つ落とし、通算2アンダー、286で7位で4日間を終えた。優勝した梁熙英(韓国)と5打差。2019年全英女子オープン以来、メジャー2勝目はならなかったが、全米女子オープンに続き、メジャーで2戦連続のトップ10入りとなった。 出だしの1番パー4で、ティーショットを左バンカーに入れる波乱のスタートだった。それでも1番は、6・5メートルのパーパットを沈める“ナイスパー”発進。すると2番パー5で、残り116ヤードからの第3打を、70センチにピタリとつけてバーディーを先行させた。4番パー4で3パットのボギーを喫したが、5番パー3でバウンスバック。ティーショットを1・5メートルにつけて伸ばし、この時点で首位と3打差の4位に浮上した。 ところが7番パー4で今大会初のダブルボギーをたたいた。第2打をグリーン右手前のバンカーに入れると、第3打はピンが近かったため、ギリギリを狙ったがバンカーから脱出できず、再びバンカーから打った第4打はピンを大きく越えた。そこから2パットを要し、2つ落とした。8番でもボギーをたたき、2つ落として8位で折り返した。 後半に入ると、4ホール連続でパーを並べたが、14番パー4で、5メートルのパットを決めて3つ目のバーディーを奪った。ただ、その後は、わずかにバーディーパットが入らない展開が続いた。ホールアウト後は、表情こそ明るかったが「もう少しできたな、と思う瞬間がすごく多かったので、悔しいです」と、胸の内を明かした。4日間を振り返ると「初日、2日目がよく耐えたなという中で、3、4日目で伸ばしきれなかったのが、すごく残念だなとは思いますし『まだまだいけるな』と思う部分はあったので、これから、もっと練習して、次の試合に向けて頑張りたい」と、雪辱を誓った。 ここ数年はスイング改造など試行錯誤で成績は低迷していたが、3週前のメジャー全米女子オープンで2位に入ってからは復活。今大会も予選2日間はショット、パットともに好調だった。第3ラウンドには2打差3位から4打差5位に後退。それでも落ち込んだり、焦ることもなく、上だけを見た。第3ラウンド終了後には「まだ明日どうなるかわかんない。まだ(優勝の可能性が)あると思ったらすごく前向きになれる」。メジャー初優勝した5年前の全英女子オープンのころのように、ポジティブに攻めの姿勢を貫く決意をにじませていた。 2019年8月の全英女子オープンでメジャー初制覇すると、しぶこブームを巻き起こした。しかし、近年はスイング改造、コーチ変更など、試行錯誤を繰り返して成績が低迷。今季も5月までは9戦中6戦で予選落ちともがき苦しんだ。転機は全米オープン前だった。ドライバーとアイアンのシャフトを以前使用していた柔らかいタイプに変更。スイングの再現性が高まり、以来ショットの好調を持続した。 今大会もフェアウエーの狭い林間コース。ショットの精度が求められる中で、フェアウエーキープ率、パーオン率ともに高い数字をキープ。本人も「球はまっすぐ行って、結構、飛んでる」と話していた。ショットの調子が良くなるとともにパットも安定した。 3週前の全米女子オープンで2位に入った後に「ここからまたスタート、また新しい章がスタートできるな、っていう感覚なので、すごく前向きな気持ちです」と話していた。5年ぶりのメジャー制覇へ、最終日の逆転を期待されたが、伸び悩んだ形に終わった。大逆転でのパリ五輪代表入りの可能性も消滅した。それでも随所でファンを沸かせるプレーを見せた。今季残り2戦のメジャーでの活躍を期待させる4日間となった。