「これが甘酸っぱさだよなと思いました」映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』小野賢章・富田美憂インタビュー
◆柊とツムギのコミュニケーションは率直にどのように感じましたか? 小野:ツムギが顕著ですけど、距離感の詰め方が子供ならではのスピードですよね。でも、色恋の話になると、2人は子供らしく“好き”が認識できないところもあって。大人の自分が改めて演じると、これが甘酸っぱさだよなと感じました。それを演技にしっかりのせられたら、と思いましたね。 富田:確かに、ツムギは誰に対しても距離近めにスタートする子で、そこに若さをすごく感じます。賢章さんもおっしゃっていた通り、彼女たちの甘酸っぱさを見て、自分も大人になってしまったと感じることが端々にありましたね(笑)。 ◆余談ですが、植物の「柊」は魔除け・厄除けの効果があると言われていて、別名が「鬼の目突き」、花言葉が「あなたを守る・用心深さ」ですから、ピッタリの名前ですね。 富田:え~! すごいです! 小野:(演じる前に)それを教えてくれればよかったのに(笑)。本当にキャラクターそのままを表している感じがしますね。 富田:ツムギも由来があるなら知りたいです。 ◆ほかのキャストとは収録が別だったそうですが、映像を観てさすがだなと思った方をあげるなら誰でしょうか? 小野:この作品はロードムービー的な要素もあり、たくさんの人と出会います。1人1人みんなが印象的で、「こういう人、絶対にいるよな」と思わせてくれるような人たちばかりなんですよ。それはキャラクター像を作り上げたスタッフさんたちの力と同時に、役者のみなさんの力のおかげだとすごく思います。個人的には、旅館の主人を演じている斎藤志郎さんとは『ハリー・ポッター』でも近い関係性の役を演じていて、今回もお茶目で安心感のある声だなと感じました。 富田:カフェのオーナーさんとかも、「本当にこういう人いますよね!」って感じるんです。ツムギ的にはやっぱりお父さんとお母さんがとても印象的でした。先に2人が収録されていたので、私は2人の声を聞きながらできたんですけど、本当にあったかくて両親ってこうだよなと感じました。三上(哲)さんのお父さんがカッコいいんですよ! ◆楽しみですね。お母さんを演じるのは日髙のり子さんですし。 富田:そうなんです。日髙さんのラジオには何度か出演させていただいたことがありますが、同じ作品に出演するのは初めてだったので、すごくワクワクしながら収録しました。 ◆柊は「嫌われたくないため、気持ちにふたをする・本心を隠すタイプ」、一方のツムギは「思ったことを口にしちゃうタイプ」です。おふたりはどちらのタイプに近いですか? 富田:柊タイプです。 小野:僕も柊タイプかな。昔はツムギタイプの部分も持ち合わせていたと思いますが、大人になって自分で消化できることが増えたこともあり、我慢して言わないのではなく、「自分で消化できるなら表に出さなくてもいいか」となりましたね。自分1人で仕事をして完結するなら言いたいこと言えばいいし、やりたいことやればいいと思うんです。でも、大多数の人は1人で仕事をしているわけではなく、社会で生きていく中で、それを言うことが必要かどうかジャッジしていかなきゃいけない。これが大人になることだなって思います(笑)。 富田:私は3人姉弟のいちばん上ですし、10代の頃から仕事をしているのもあって、「しっかりしなきゃ!」って気持ちが強かったんです。あまりワガママを言わないようにしようと無意識に思っていました。大人からみると、すごくかわいげのない子供だと思われていたかもしれません。でも最近は、私も「言っちゃダメだ」よりも「別に言わなくていいかな」って気持ちが強くなりました。言わなければ丸く収まると、見極められるようになってきたといいますか。甘えてもいいかなってときはちょっとワガママを言いつつ、言うべきじゃないときは言わない……その線引きができるようになった気がします。 ◆最後に、山形出身者としてぜひお聞きしたいのですが、本作の舞台である山形の印象はいかがですか? 富田:さくらんぼ(笑)! 小野:米沢牛(笑)! 山形に行ったことはまだないですけど、せっかくこの作品に参加できたので行ってみたいですね。山形で舞台挨拶とかあったらいいですし、これをきっかけに山形が少しでも盛り上がったらうれしいです。 富田:私も行ったことがないので、作品を通して足を踏み入れられたらうれしいなって淡い期待を持っています。 ◆機会があればぜひ! 劇中には山形にまつわる食べ物や花も出てきますから。 小野:分かる人は分かるんですね。そういうところにもこだわりが詰まっている作品なので、ぜひご覧いただけたらうれしいです。 富田:よろしくお願いします! ●text・photo/千葉研一 <PROFILE> 小野賢章 ●おの・けんしょう…10月5日生まれ。福岡県出身。 富田美憂 ●とみた・みゆ…11月15日生まれ。埼玉県出身。
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