ムチュア・マドリッド・オープン

死闘制し16強入りしたラファエル・ナダル[写真/ゲッティイメージズ]

男子テニスのムチュア・マドリッド・オープン（スペイン/マドリッド、レッドクレー、ATP1000）は29日、シングルス3回戦が行われ、プロテクトランキング（負傷などによる長期離脱選手の救済措置）で出場する元世界ランク1位のR・ナダル（スペイン）が世界ランク91位のP・カチーン（アルゼンチン）を6-1, 6-7 (5-7), 6-3のフルセットで破り、2022年以来2年ぶりのベスト16進出を果たした。 【動画】ナダル16強 3時間死闘制し勝利決めた瞬間 37歳のナダルは今年1月のブリスベン国際（オーストラリア/ブリスベン、ハード、ATP250）で約1年ぶりにツアーに復帰し8強入りしたものの、同大会で左脚を負傷。 その後、公式戦の欠場が続いていたが、前週プロテクトランキングを利用して過去12度の優勝を誇るバルセロナ・オープン・バンコ・サバデル（スペイン/バルセロナ、レッドクレー、ATP500）にエントリーし、約3ヵ月ぶりにツアーに復帰。初戦突破を果たすも2回戦ではA・デ ミノー（オーストラリア）に敗れた。 そして過去に5度優勝を飾っているムチュア・マドリッド・オープンに出場したナダルは1回戦、ワイルドカード（主催者推薦）で出場した世界ランク1028位のD・ブランチ（アメリカ）を下し初戦突破。2回戦では第10シードのデ ミノーを退け前週の雪辱を果たして3回戦進出を決めた。 そして3回戦、初顔合わせとなったカチーンと対戦。第1セット、ナダルは第1ゲームでミスを見逃さず、いきなりブレークに成功する。その後は13本のウィナーを決めるなどラリー戦で優位に立つとカチーンに1ゲームしか取られず。ブレークポイントを与えないプレーを披露し先行する。 続く第2セット、第1ゲームでいきなりブレークを許したナダルはその後も精彩を欠き第5ゲームで2度目のブレークを奪われる。それでも直後の第6ゲーム、鋭いショットでポイントを獲得し1度のブレークバックに成功。そしてカチーンのサービング・フォー・ザ・セットとなった第10ゲーム、粘りを見せセットポイントを2度凌ぐと最後はダブルフォルトによりブレークバックを果たし、イーブンとする。 直後の第11ゲームで3度目のブレークを許したナダルだが、第12ゲームでまたしてもブレークを返しタイブレークに突入。ナダルは1-4と突き放されるもミニブレークを返し4-4と追いつく。しかし5-6とされセットポイントを握られた場面、ネット際に積極的に出るもパッシングショットを決められ、1セットオールに追いつかれる。 迎えたファイナルセット、第1ゲームでブレークチャンスを掴んだナダルは強烈なフォアハンドウィナーを決めいきなりブレークに成功。しかし、第3ゲームで2度のブレークチャンスを活かせずキープされると第4ゲームではミスが目立ちブレークを返される。 それでも第5ゲーム、ナダルは1度のブレークチャンスを掴むと強烈なバックハンドショットを決め再びブレーク。その後のサービスゲームではラリー戦で主導権を握りカチーンにチャンスを与えず。すると第9ゲーム、鋭いリターンエースを決めるなどセットポイントとなるブレークチャンスを掴むと最後はカチーンのボールがアウトとなり3度目のブレークを奪って、3時間4分に及ぶ死闘を制した。 勝利したナダルは4回戦で第30シードのJ・レヘチカ（チェコ）と対戦する。レヘチカは3回戦、予選勝者で同118位のT・モンテイロ（ブラジル）を6-4, 7-6 (9-7)のストレートで下しての勝ち上がり。 同日には第3シードのD・メドベージェフ、第5シードのC・ルード（ノルウェー）、第17シードのA・ブブリク（カザフスタン）、世界ランク35位のF・オジェ アリアシム（カナダ）が16強に駒を進めた。