「見てますよ!」書道のベニヤ看板、自転車盗防止に効果有り 高校書道部したため被害半減、広島市のJR駅
広島市安佐北区のJR駅で多発する自転車盗を防ごうと、区内の公立の高校書道部がしたためた施錠などへの注意を促す看板が、狙い通りの効果を上げた。広島県警安佐北署のまとめでは、7駅に設置した昨年10~12月、1カ月当たりの被害件数が半減。同署は協力した書道部員に感謝状を贈り、第2弾も企画している。 【写真】高校書道部が自転車盗に注意呼びかけ 看板は盗難の多発を受け、同署が可部、高陽、高陽東の各高校と広島中等教育学校に依頼。書道部員が縦92センチ、横183センチのベニヤ板に「監視中」「見てますよ!」など犯人へのけん制や2重施錠の重要性などを記し、10~12月に各校から近い7駅の駐輪場に掲示した。 同署によると、昨年1~9月は7駅の合計で1カ月当たり8・4件だった自転車盗の被害が、10~12月は4・0件に半減。駅別では、あき亀山駅で1・8件が0・3件に、安芸矢口駅で2・6件が1・0件に大きく改善された。可部駅は1・4件が0・7件に減った。下深川、玖村、河戸帆待川の3駅は3カ月の被害がゼロだった。 こうした抑止効果をたたえ、同署は1月30日、各校に感謝状を贈呈した。竹重幸司署長は「皆さんの少しでも犯罪を減らしたいという気持ちが伝わった」と感謝。高陽高2年の上馬場乃蒼(のあ)部長(17)は「力を合わせて作った看板で地域貢献ができてうれしい」と笑みを見せた。 同署は私立の広島文教大付高を加えた次の展開に乗り出し、今月中に各校から近い駅に新たな看板の設置を予定している。
中国新聞社