西之表市・八板市長 馬毛島基地整備「県や周辺自治体と連携」「現実の動きに対応」 賛否触れず3選立候補表明 容認へ一歩前進? 反対派に気遣い?
鹿児島県西之表市の八板俊輔市長が3期目を目指す意向を明らかにした20日、舞台となった市議会は「予想通り」と冷静に受け止めた。ただ、任期を1年以上残しながら、馬毛島で進む自衛隊基地整備について賛否判断を見送った形での立候補表明に、疑問の声を上げる市議も。市民からは「賛否をぶつけ合ってこそ民意が示される」といった意見が聞かれた。 馬毛島自衛隊基地工事と米軍再編交付金の影響大 西之表市の新年度予算案は過去最高13.3%増の143億円に
「県や周辺市町村と連携し」「現実の動きに対応する」-。こうした八板氏の言葉を、基地整備賛成派の遠藤建次郎議員は「はっきり言ってほしいが、容認に一歩前進した表現だ」と好意的に受け止めた。一方、反対派の長野広美議員は「将来のビジョンが見えない。なぜこの時期に表明する必要があったのかも分からない」と批判した。 市民も戸惑いを隠せない。自営業の男性(45)は「反対派を気遣って賛否を言いづらいのだろうが、現状では地元の民意が表れない」。無職女性(75)は「市政をどう進めたいのか。白黒はっきりしないままでは誰も応援しないのでは」と指摘した。 男性会社員(45)は「国が進める基地整備は止まることはなく、誰が市長でも変わらない」と冷ややか。「基地はないに越したことはないが、市長に立つ人はある程度妥協して市民に恩恵をもたらしてほしい」と注文した。
南日本新聞 | 鹿児島