ドーナツ・ピーナツ(1)親友・EXIT兼近も泣いた!?大阪移住「おれの家もなくなっちゃうじゃん…」
今年で結成11年目を迎える「ドーナツ・ピーナツ」。福岡県北九州市出身で東京NSC(吉本総合芸能学院)を卒業したにもかかわらず、プロの舞台に大阪を選んだ珍しいコンビだ。着実に実力を積み上げ、今では賞レースの常連に成長。師匠は漫才のレジェンド・中田カウス(74)。その精神を受け継ぎ、10数年前は北九州の平凡な高校生だった同級生コンビが漫才のてっぺんを目指す。(取材・構成 江良 真) 【写真】北九州市出身の漫才コンビ「ドーナツ・ピーナツ」のピーナツ(左)とドーナツ 【ドーナツ・ピーナツインタビュー(1)】 ◆犬も“しゃーないな” ピーナツ実家に居候状態だったドーナツ◆ ―4月になってテレビのレギュラーが増えました。状況が良くなってきたようにお見受けするのですが? ピーナツ(以下ピ)「いつのまにかなんで、ちゃんと自覚できていないかも。やったー!というよりは、いけてんのかな、という気持ちの方が強いかもです。めっちゃありがたいんですけど」 ドーナツ(以下ド)「なんかパーンといくというよりかは、一歩一歩着実に、というのは自分たちらしいかなでは思っています」 ―カンテレ「マルコポロリ」などはすごいメンバーに囲まれています。MCの東野幸治さんはもちろん、ほんこんさん、月亭方正さん、シャンプーハットさん、メッセンジャーあいはらさん…。 ピ「芸歴が違いすぎて、絶対ぼくのこと赤ちゃんに見えてると思います(笑い)。一回時代をつくった人たちなんで、別におれらなんかもう何者でもないし、考えすぎんようにはしていますね」 ド「テレビは新鮮で楽しいです。だからこそ舞台を頑張らんといけんな、と引き締まります。テレビ見て、漫才見に来てくれて、漫才おもろなかったら終わりやなと思うので」 ―ご出身は福岡・北九州市。同じ高校だったとうかがっています。そもそも、どういう経緯でコンビを組むことになったのですか? ド「高2のとき、数学の補講を受けることになったんですが、その宿題を忘れて教室から出ていかされたんです。歩いてたらピーナツと、らっきょというあだ名の友達が来て、3人でウダウダしゃべってたら、おまえらコンビで漫才やればいいやん、みたいなことをらっきょが言ったんです。芸人もありなんかなあ、という意識が2人の間で芽生えたという感じですね」 ―その頃から仲良しだったんですね? ド「3人でウダウダしてたのは高2の頃で、高3になったらピーナツの家にぼくが毎日いるくらいの感じになったんです」 ピ「もう普通に住んでました。なんか一回、おれんち泊まりにこいや、と言ってそのままやった?」 ド「そう、そのまま3~4カ月」 ピ「母ちゃんも、こいつの弁当を作ってました」 ―(笑い) ピ「晩ご飯もドーナツの分作って、洗濯物も出してたよな?」 ―ドーナツさんの家族はどんな反応やったんですか? ド「きょうも泊まりにいってるんか、ぐらいで(笑い)。最近よう行ってるな、みたいな感じでしたね」 ピ「そういえば1カ月帰ってないやん、となって…」 ド「さすがにきょうは1回帰っとくわ、みたいな時もありました(笑い)」 ―自然とそういう感じになったんですか? ピ「帰宅部やったんで、やることないから2人で遊ぶやないですか。おまえんちどっちやった?」 ド「真逆」 ピ「それがだるかったんか。一回帰って着替えて戻るというのもめんどいし」 ドーナツ「完全に家族でしたね」 ピーナツ「犬もまったく吠えてなかった」 ―そのころコンビを組もうみたいな話は出てたんですか? ド「一応やるって周囲にも言ってたんで、2人でお金貯めようかいう話をして、お金を貯めて東京に行ったという感じです」 ピ「いま考えたら相当フワッとしてますよね。やるって言ってたから、やめるのもダサいし。めっちゃノリでしたね」 ◆マジでうれしかった親友・兼近の大ブレイク◆ ―東京に行かれたら、同期にはEXITの兼近さんがいた。 ド「3人で住んでました。今も仲良し」 ―兼近さんがいち早く売れた時はどういう気持ちでした?おれらも!という感じだったんでしょうか? ド「いや、単純にめっちゃうれしかったです。3人で一緒に住んでて絆も感じていたし。才能も知ってたから、そら売れるやろ、と思ってましたし」 ピ「売れる直前、電話かかってきたんですよ。“ゴッドタン(テレビ東京)”でめっちゃハネたから見てって言われて。実際見たらおもろ!となって。気づいたらすごいお金稼いでました(笑い)」 ―(笑い)実際、兼近さんが売れるのはお2人が大阪に移住してからだとは思うのですが、そもそも大阪に行こうとなったのはどういう理由なのですか? ピ「カウス師匠に、漫才するんやったら大阪でやった方がええんちゃう、と言われて。自分も好きな漫才師は大阪の方が多かったので、じゃーという感じでしたね」 ◆カウス師匠に披露した漫才が人生変えた◆ ―カウス師匠がNSCの講師をされた時に出会われたんですね。 ド「師匠に漫才を披露するタイミングがあったんです。そのときにさっきの言葉をいただいて」 ピ「ぼくらの感じ的にも大阪は合うと思っていただいたのかもわかんないですね」 ―で、NSCを卒業後に大阪に来られるんですが、気持ち的にはどうだったのでしょう? ド「ぼくは何でも楽しめるタイプなんで、いいやん、行ってみよう、という感じでした」 ピ「んー、ぼくは仲のいい人おらんし、東京の友達と離れるのがイヤで。転校するのがめっちゃイヤなタイプやったんで」 ―(笑い)でも、師匠直々の提案だったんですよね。 ピ「そうです。だから2人でめっちゃ話し合って、それこそ兼近もおって、どうしよっか?みたいな」 ―兼近さんはどんな感じだったんですか? ピ「めっちゃさびしがってました」 ド「おれの家もなくなっちゃうじゃん、みたいな(笑い)」 ピ「これから東京でやっていくんや感があったんで。でも、最初だけですよ。行くとなったら覚悟は決まりました」 ◇ドーナツ・ピーナツ ドーナツ(どーなつ)本名・平沢孝文 1992年(平4)6月21日生まれ。福岡県北九州市出身。ピーナツ(ぴーなつ)本名・岩田蓮也 1992年(平4)12月3日生まれ。福岡県北九州市出身。高校の同級生で一緒に上京し東京NSCに入る。卒業後は中田カウスに師事し、大阪へ。安定した実力で賞レースの常連に。今月23日の福岡を皮切りに初の単独ライブツアーを行う。