6年連続WRCタイトル制覇! ワイドボディに4WD。心臓は4バルブDOHCターボ!
WRCのための開発を担当したのは、アバルトの時術陣。たったの半年の開発期間で1987年の開幕戦でデビューウィンを成し遂げた。アバルトの技術力の高さが一目瞭然だ。 【画像17枚】インテグラーレのシートは全席革張りで、同時代の国産車とは一線を画したオシャレ仕様。リアにあるのは、ランチア製ラリーカーの伝統HFバッジ。Homologa to FIA(FIAホモロゲート)やHi-Fiの頭文字とも言われるが、詳細は不明 【最強の系譜 4WD+ターボ 1989年式 ランチア デルタHFインテグラーレ 16V】 デルタHFインテグラーレでは6連覇を成し遂げる前代未聞の連勝記録を残し、WRC史上最高の1台として評価された! そして89年には、エンジンを気筒当たり4バルブ化、200psのパワーを得るとともに、ドライブトレーン/シャシーにも大幅な改良を施した「インテグラーレ16 V」に進化。WRCで世界タイトルを重ねることになった。 さらに91年から製作されたデルタHFインテグラーレ。ブリスターフェンダーのワイド化で迫力を増したアピアランスから、日本市場では「エボルツィオーネ」という愛称で呼ばれた最終進化バージョンが、92年までWRCタイトルを制覇したことで、実に6年連続(ワークス体制では5年連続)にもおよぶ、前人未到の連勝記録をマークすることになるのだ。 さらに、このクルマがWRC史上最高のラリーカーの1台である一方、ロードカーとしても素晴らしく魅力的なモデルであったことも特記しておきたい。ブリスターフェンダーや「風穴」など、いかにも実戦的なディテールを持ちつつも、内外装ともに実にシックな仕立て。イタリア車ならではの洒脱さから、欧州はもちろん日本国内でも人気を博したのである。 ランチア デルタHFインテグラーレ16V(L31D5)主要諸元 全長×全幅×全高(mm) 3900×1690×1360 ホイールベース(mm) 2480 トレッド前/後(mm) 1448/1440 車両重量(kg) 1250 エンジン型式 -- エンジン種類 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 総排気量(cc) 1995 ボア×ストローク(mm) 84.0×90.0 圧縮比 8.0:1 最高出力(ps/rpm) 200/5500 最大トルク(kg-m/rpm) 31.0/3000 ステアリング パワーアシスト付きラック&ピニオン サスペンション前/後 マクファーソン・ストラット+コイル/トーションバー式スタビライザ ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク タイヤ 205/50VR15(前後とも) 発売当時価格 520.0万円 初出:ハチマルヒーロー 2017年5月号 Vol.41 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部