8月25日は『即席ラーメン記念日』 日本が世界に誇る即席ラーメンの歴史 進化は宇宙レベルへ
8月25日は『即席ラーメン記念日』。1958年の8月25日に、日本で初めて世界初の即席麺『チキンラーメン』が誕生して今年で65周年。日本が世界に誇る即席麺の開発の歴史をたどりました。
■アイデアのきっかけは、妻が作る“てんぷら”
即席ラーメンを開発したのは、日清食品創業者の安藤百福さん。終戦後の闇市で、1杯のラーメンを求めて屋台に長い行列を作る人々の姿を見て、日本人が麺類好きであることを実感すると同時に、この行列に大きな需要が隠されていることを感じたといいます。 その後、自宅の裏庭に建てた小屋で、“お湯さえあれば家庭ですぐ食べられるラーメン”の研究をたった一人で始めた安藤さん。“麺を長期保存するには、どうやって乾燥させればよいのか”、“お湯を注いですぐ食べられるようにするにはどうすればよいのか”、この保存性と簡便性の実現こそが、即席ラーメンの開発における最も高い壁だったそうです。 アイデアのきっかけは、安藤さんの妻が台所で、てんぷらを揚げていた時でした。てんぷら鍋の中で、熱い油の中に入れられた小麦粉の衣が、泡を立てながら水分をはじき出しているのを見た安藤さんが、「これだ!」とひらめき、即席ラーメンの基本となる製造技術『瞬間油熱乾燥法』にたどりついたといいます。
1958年に登場した『チキンラーメン』は、今と昔で中身はほとんど変わっておらず、発売当初は即席ラーメンがどんなものか誰も知らなかったそうで、パッケージに卵形の透明な“窓”をつけて、中の麺が見えるようにしていたということです。
■スープ別添えラーメンが登場
さらに、即席ラーメンの技術は進んでいき、従来の“味付け麺“より、格段に味の良い『スープ別添え方式』を採用したのが、1962年に明星食品から発売された『支那筍入 明星ラーメン』。味付けタイプに比べて手間がかかるものの、麺やスープの味わいが深まり、他の具材を加えることが可能になったことが好感を得たそうです。
■ノンフライ麺の誕生
即席ラーメンの高品質化は、やがてノンフライ麺(非油揚げめん)を誕生させました。日本即席食品工業協会によると、ブームの口火を切ったのは、1968年にダイヤ食品(明星食品の子会社)が発売した『サッポロ柳めん』。 また明星食品によると、ノンフライ麺の製造実験で、電熱器でゆで麺を乾かしてみたところ、2~3分できれいに乾燥。さらに、米菓用乾燥機の技術を応用することでノンフライ麺を完成させ、1969年に『明星中麺』を発売しました。 さらに、この即席ラーメンは、油揚げ麺のような油脂の劣化がなく、食感が生麺により近いこと、また油脂分の旨味を補うための『液体スープ』の持ち味を生かせるなど、利点が多かったそうです。(日本即席食品工業協会より)