ヘッジファンド、ミームコイン誘惑に勝てず-300倍急騰に目奪われる
(ブルームバーグ): ヘッジファンド業界は、ミームコインの誘惑に抗し難い魅力を感じているようだ。
帽子をかぶった犬をモチーフにした「ドッグウィフハット」が昨年12月、最も人気のある暗号資産(仮想通貨)に復活した際、米ストラトスはこれに投資する流動性の高いファンドを設定した。ドッグウィフハットの価格は一時300倍余りに急騰し、ファンドは今年1-3月(第1四半期)に2.37倍のリターンを記録。これは仮想通貨市場全体の2倍余りの上昇だ。ただ同トークンは先月に付けた過去最高値から4割強、下落している。
ミームコイン投資に動いているのはストラトスだけではない。マクロヘッジファンドのブレバン・ハワード・アセット・マネジメントもこの分野に「小さな」投資を行っている。事情に詳しい関係者が明らかにした。仮想通貨ファンドのパンテラ・キャピタル・マネジメントも最近、「ミームコインは定着する」「ミームコイン取引は途方もない」機会を生み出すと投稿した。
実際、デックス・スクリーナーによると、いわゆる分散型取引所では最近、ミームコインの取引高が最も多い。データトラッカーのコインマーケットキャップによると、ミーム全体の市場価値は約547億ドル(約8兆4700億円)に膨らんだ。
ストラトスの創業パートナー、レニック・パリー氏はインタビューで「ファンドがやらなければファンドの従業員がやるというのが、語られない真実だ」と語った。
とはいえ、仮想通貨の投資家の多くはミームコインになお懐疑的だ。従来の暗号資産と異なり、ミームは一般に、特定のプロジェクトに連動していない。大半は、もともとインターネットに登場したミームやキャラクター、トレンドがきっかけで、面白さや楽しさを狙ったものだ。こうした雰囲気が、投機的な取引戦略に姿を変えてきた。戦略の主な担い手は、ソーシャルメディアでトークンを派手に宣伝した後、手っ取り早く利益を得ようとするグループだ。