インド総選挙、ベストの結果-抑制と均衡が作用とイアン・ブレマー氏
(ブルームバーグ): 国際情勢のリスク分析を手掛けるコンサルティング会社ユーラシア・グループのイアン・ブレマー社長は6日、インドのモディ首相が連立パートナーの支持を確保することで3期目の政権樹立が可能となったことについて、合意形成の取り組み強化が求められ、同国にとってベストの選挙結果だとの見解を示した。
ブレマー氏はウェビナーでブルームバーグテレビジョンに対し、「インド国民には結果的に良い展開となるだろう」と指摘。「率直に言って、インドでチェック・アンド・バランス(抑制と均衡)が働かなかった場合、懸念すべき事態だっただろう」と語った。
インド首相、連立パートナーの支持確保-3期目政権樹立へ
ブレマー氏は、組閣に主要2政党の支持が必要となったものの、モディ首相は引き続き経済改革を推進することができるとコメントした。ただ、総選挙で単独過半数を確保できなかった与党・インド人民党(BJP)は、ヒンズー至上主義路線を含め、政策課題のうち意見の分かれる問題で妥協を余儀なくされる可能性がある。
ブレマー氏はまた、これまで外交政策に重点を置いてきたモディ首相が国内政治や妥協に一層多くの時間を費やすことが求められるかもしれないとした上で、最大の変化は首相の経済施策に関するものとなる公算が大きいとの分析を示した。
具体的には、民間セクターの土地取得円滑化などに絡む改革には一段と時間がかかる可能性があり、モディ首相としては圧勝して3期目に実行したかったことだが、「今やもっと困難な局面に直面するだろう」とブレマー氏は解説した。
関連記事:
原題:India to Benefit From Coalition Checks on Modi, Eurasia Says(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Preeti Soni