【ミリタリーウオッチの謎に迫る】奥が深い!軍用時計の世界~腕時計の基礎知識~
二つ目は、軍用時計の腕時計に刻印されている数字やアルファベットについてだ。 これは、第2次世界大戦時に用いられた陸・海・空のいずれの軍が管理するものかを明確にした管理コードや、どんな時計なのか、どのメーカーが製造したものなのかなどを示す管理ナンバーだ。1944~45年頃から支給が開始された軍用時計の主に裏ブタに刻印され、管理・運用をしていた。 “W.W.W.”とは“Water-proof Wrist Watch”の頭文字で、防水性能を有していることを表している。この“W.W.W.”の刻印はレイルウエイトラック、スモールセコンド、ブラック文字盤、防水リューズ、そして防水型の風防を備えていることが必須で、オメガやIWCなどスイスの時計メーカー12社が製造を担っている。製造数は14万本以上(推定)と、当時の軍用時計としては圧倒的に多かった。 ここで紹介した軍用時計の知識はほんの一部。それぞれに歴史的根拠や背景があり、実に興味深い世界である。 <参考文献> ・今井今朝春『新軍用時計物語』(グリーンアロー社、1998年) ・今井今朝春『新・軍用時計物語』(グリーンアロー社、1998年) ・ロービート編集部著『LowBeat vol.18』(シーズ・ファクトリー、2020年)
文◎Watch LIFE NEWS編集部