K-POP日本公演「ガラガラ」の衝撃 最高3万円「高額チケット」にファンも反発
歌謡番組の日本輸出
ただ、日本で開催されているK-POP公演のすべてがガラガラというわけではない。K-POPが好きな中年男性ファンは「6月に開催されたNewJeans、7月のTWICE、8月のaespaのコンサートに参戦しました。東京ドーム、味の素スタジアムともに客席は満席でしたよ。NewJeansの公演はステージ真横のスタンド席を空席にしていましたが、これは見切れが出ないギリギリのラインをもうけた主催者側の配慮でしょう」と振り返る。 TMAが大失敗に終わったというのに、今度は韓国の歌謡番組の日本輸出が相次ぐ。10月12、13日にさいたまスーパーアリーナで「SBS INKIGAYO(人気歌謡) LIVE in TOKYO」、12月14、15日にはみずほPayPayドーム福岡で「2024 MUSIC BANK GLOBAL FESTIVAL in JAPAN」が開催される。前者は韓国地上波のSBS、後者は同じくKBSの看板歌謡番組だ。日本でいうテレビ朝日「ミュージックステーション」やTBS「CDTVライブ! ライブ!」の特別イベントがソウルや台北で開催される、といったイメージか。それにしても、なぜ雪崩のように続々と日本に押し寄せるのか。 韓国の芸能プロ関係者がこうため息をつく。 「ライバル社がやり始めたら上層部から『わが社はどうなっているんだ!』と叱責されるのを恐れて先手を打ち、まともな調査もしないで日本での展開を『行けば儲かる』と強引に立案するのが、韓国の企業風土です。アーティスト側もテレビ局や有力メディア主催のイベントには、万が一不祥事を起こした際に、報道で報復されるのを恐れて出演をのんでしまいます。昨年、ある売り出し中の若手アーティストが単独ライブを開催しましたが、案の定、チケットは7割ほどしか売れず、残りは業界関係者に無料で配っていました。チャレンジ精神が旺盛なのはよいのですが、リスクを指摘しても聞き入れないし綿密さが足りないのが実情です」 こうした意欲は無謀と隣り合わせだ。チケットがさばけず結局、中止に追い込まれる事態も予想されるからだ。音楽ファンの間では「日本の音楽市場をなめている」といった声も出ており、日本進出の乱発は反感を招きかねない。韓国国内のK-POP産業はアイドルグループの乱立で飽和状態にある。そのせいもあって日本市場に活路を見出したいところなのだろうが、実際はそう甘くはないようだ。
デイリー新潮編集部
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