「都会的な演出」を心がけるという空間

　東京で美容師として約15年の経験を持つ嶺徳仁（のりひと）さんが妻の真美代さんと共に美容室＆コーヒーショップ「OLTANA（オルタナ）」（徳之島町亀津）をオープンし、4月1日で2カ月がたった。（奄美群島南三島経済新聞） 　徳仁さんは徳之島の高校を卒業後、大阪の美容専門学校で技術を学び上京。美容室の激戦区である東京・表参道の美容室に10年間勤務。30歳で独立し、代官山で店を開いた。 　独立後、徳仁さんは同窓会に参加するため久しぶりに帰省した徳之島で、「自分の生まれ育った町がすこし寂しくなっている様子」が目にとまり、「徳之島の活性のために自分に何かできないか」と考えるようになり、島に帰る選択肢ができたと振り返る。その後、5年ほど経営していた美容室を閉め、35歳で徳之島へ帰郷。すぐに居抜きで物件を借り、同じ店名で店を構えた。 　島で美容室を経営し生活していく中で、徳仁さんは「ファッションやアートの文化が徳之島にはまだ根づいていない。音楽やファッションのカルチャーから新しい仕事や企画が生まれる」との思いが強くなり、もっと広くておしゃれな空間が必要だと行動を起こした。徳之島で出会った妻の真美代さんと共に、コーヒーショップを併設した「都会的な」店舗設計、施工に取り組み、オルタナを開いた。 　嶺さん夫婦は「若い子たちがおしゃれして町を歩いて楽しむ、おしゃれして出かける。そんな場所を提供していきたい」と話し、今後は店舗型カフェの経営やイベント開催などへも意気込みを見せる。「島を離れて都会にいる若い世代にも、島はもっと楽しい、帰って島で働きたい、起業したいと思えるように自分たちが楽しんでいる姿を見せたい。一緒に楽しんで働く仲間も募集している」とも。