福島県の浪江町津島、14年ぶりに稲刈り 復興組合員ら原発事故後初
東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)として避難指示が解除された福島県浪江町津島地区で30日、コメの試験栽培の稲刈りが行われた。地区内での稲刈りは東日本大震災と原発事故発生後初めてで、14年ぶり。 津島復興組合の組合員、地域住民ら約20人が作業した。5月に試験水田に田植えした県オリジナル品種「里山のつぶ」を機械や鎌で刈り取った。 放射性物質検査で食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を下回れば、今回は地域住民らが試食し、出来栄えを確かめる。町は来年度以降も地区内での試験栽培を継続する方針。将来的に安全が確認できれば、営農再開に向けて住民らと協議し、国に作付け制限の解除を求める。 組合の菅野雄造副組合長は「来年以降も住民や組合員と一緒に取り組みを進めたい」と話した。