スカウト会議に臨む藤川監督。運命の赤い糸で結ばれるのは、どの選手か！？

運命の日がやってきた。10・24ドラフト会議。どの球団に指名されるんだろうか？　当事者にとっては、まさに一生が左右されてしまう日だ。大好きなチームに入れたらいいな！　そこで野球人生で最高の指導者に巡り合えるかもしれない。その逆だってあり得る。 【写真】背番号22のユニホームを身にまとってグラウンド入りした阪神・藤川新監督 マスコミ目線で言えば、スーパースター候補に、いったい何球団が競合して、クジを引き当てるのはどの監督か？　トラ番的勝手な希望を言わせていただくなら、球児新監督が「指名権あり」の当たりクジを高々と掲げていたら、なお、ウキウキするんだろうなぁ。 記者のもう一つのドキドキは、「明日の今頃、俺はどこにいるんだろうか？」という、全く読めない近未来。このスリルが分からないヤツに新聞記者は務まらない。そもそも、阪神がどの選手の指名権を獲得するかなんて、指名する球団首脳も、担当スカウトだって、分からないのだから、取材する側が分かるはずがないのだ。 本日、わが社の精鋭部隊は指名濃厚の選手の会社や学校はもちろん、駅や空港に待機して、全国各地、どこへでも、1分1秒でも早く到着できる態勢で、運命の瞬間を迎える。ドラフト担当敏腕デスク・川端亮平の腕の見せ所でもある。 過去には東京のドラフト会場から鹿児島のはるか南の果てに浮かぶ喜界島に飛んでいった先輩記者がいた。北九州にいたら鹿児島に移動させられた記者もいたし、山口県から京都・福知山に行かされそうになった記者もいた。 デスク阿部祐亮はトラ番時代に上司から「今すぐ、○○選手のところへ行け！　タクシーを使っていいから」と指示されて、慌てて飛び乗った。 「料金は3万円近くでした。途中のサービスエリアで、運転手さんと一緒にトイレ休憩して。栄養ドリンクを運転手さんに差し入れしました」 そこまでする価値があるのが、誰にも予想できないドラフトというドラマだ。 トラ番・邨田直人も、ことしの上位指名候補（たぶん）のところへ駆け付ける。 「やっぱりドラフトの結果って、知りたいですよね。2019年のドラフトが行われた時刻は、サッカーW杯予選、タジキスタン戦の取材を終えて、帰りの飛行機を乗り継ぐウズベキスタンの空港でした。『阪神1位が西純矢（創志学園高）、2位が井上広大（履正社高）かぁ。どっちも以前に取材した選手やなぁ』と思いながら経過をネットでチェックしたことを覚えています。世界中、どこにいても、ドラフトの結果は気になるもんです」