無資格検査問題でIHIの満岡社長が会見(全文3)昨年4月に内部告発
重工業大手のIHIは8日午後、東京都江東区の本社で、航空会社から受託したエンジン整備の無資格検査問題についての記者会見を開いた。冒頭、満岡次郎社長は「当社が長年培ってきた品質担保の姿勢を揺るがしかねない、極めて重大なものと厳粛に受け止めている」などと述べ、陳謝した。 【中継】無資格検査問題でIHIが会見 満岡社長らが午後5時から説明 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「無資格検査問題でIHIが会見 満岡社長らが午後5時から説明」に対応しております。 ◇ ◇
航空エンジン製造でも検査不正があるのでは?
日本経済新聞:日本経済新聞の【ホシ 00:44:56】です。それでは2点お願いいたします。1点目ですが、IHIは過去に東証から、決算を巡って特注銘柄に指定された歴史があります。2004年には航空エンジンの問題で、当時はエンジン修理の必要なデータの改ざんがあって、国交省から一番勧告としては重い業務改善勧告を、行政指導としては重い業務改善勧告が出ていますと。 今回再びエンジン分野で不正を繰り返したわけですが、企業体質を疑われかねない、そういう事態になっています。当然、その修理以外の分野、航空エンジンの製造でも検査工程で同様の不適切な事案があるんじゃないかというふうに見るのが筋だと思うんですが、この点についてはいかが考えているんでしょうか。 識名:その点におきましては、先ほども少し触れさせていただきましたけれども、今回のこういったことの再発防止の一環としてすでに社長が直轄します、全社重要不適合対策委員会を設置しておりまして、今回のような事象がないかどうかというところの調査をしているところであります。 満岡:確認をしております。 日本経済新聞:確認をしている最中ということですね。承知しました。2点目ですが、今回の航空エンジンの無資格検査なんですが、2017年に自動車分野において、日産とSUBARUでも同様の事案、型式認定、当時は無資格の検査でやっていたという事案ですが、横目で17年から無資格検査の事案が出ていれば、当然自社の社員の方々も襟を正さないといけない局面ですが、それができていませんでした。 SUBARUと日産の問題も、会社側の収益優先の体質が現場の必要な投資に回らなかったというのが原因の一因とされています。IHIもここ数年、構造改革で航空分野への経営資源の集中ということをしてきました。いわゆる効率優先、収益優先、その経営が現場の必要な投資を怠った一因になっていないか、この点についての見解をご説明お願いいたします。 満岡:実は車のお話がたぶん2017年の秋だったと思いますけれども、起こりました。直ちに私のほうからコンプライアンス系統ということで、私ども全社の委員会としてコンプライアンス委員会という組織がございますので、全事業部門に対しまして確認するようにという指示を行ったところです。 残念ながら、いろいろな各部門からこういう状況で、特にあの際にはいろいろと、各社がいろいろなタイプでもってご報道がされていたものですので、それを照らした上でどうかという職場に対しての調査をするようにというのをしたところです。ただ、残念ながらそのところで今回の瑞穂の不適合の部分までは立ち入れてなかったというのが結果です。 それから、今まさに私どもは、よく外部には2018年は変える元年だというところで、実は私、四六時中申しておりました。ただ、変える元年を始めるに当たりまして、実は4月にキーの、部長以上を集めた年に1回の打ち合わせ、大打ち合わせがあるんですけれども、その際の私の冒頭の、実は1項目が品質保証のスパイラルアップというところでした。 これはまさしく2017年に他社で起こっている事例に対して、私どもがいろいろな形でもって事業環境が変わっていくというものが、まさしく本来、品質保証システム的なマネジメントをどうしていくかという大きな課題だという認識の下、前の調査では特別大きな問題は上がってこなかったんですけど、再度指示をその時点で出したというところと、決して利益だから、品質はというつもりはない形でメッセージも出してきたつもりです。 ただ、振り返りますと今回の1月からの国交省さんの調査から始まった、相当深掘りをしたようなものの、いろいろな記録の確認、調査の結果としてこのような重大なところに至っているというところが会社としては認知する段階だというところで、繰り返しになりますけれども大変重大な局面に来ているというところの認識の下、再発防止は瑞穂工場の民間整備職場もそうなんですけれども、IHIグループ全体にもう一度きちんとした形の全社の活動として展開してまいろうと考えているところでございます。 日本経済新聞:1点、事実関係の確認なんですが、それがその17年に自動車分野での無資格検査問題が起きた際に、社内では同様の事案がないかというのを調査を指示した結果、現場からは不適切な事象に対しての報告はなかったという理解でよろしいでしょうか。 満岡:いろいろな報告が上がってまいりました。ただ、今回のところでも実はいろいろな記録の確認、ヒアリング百五十何人、何度も何度も実はこの記録を深掘りスクリーニングする中で、ヒアリングを繰り返しますと真実の姿なりがようやく見えだしたというところでございまして、以前にやられた調査がまだ浅かったという大きな反省の下、識名の最初の説明で深掘りが足りなかったというところのつながりでございます。 日本経済新聞:報告があったかなかったでいったら、なかったということでいいんですよね。 満岡:あったものに対して対応ができますというレポートが上がってきたというところです。 日本経済新聞:それはどういうことですか。あったというのは。 満岡:現場のほうから、こういった不安を持っています、ルールを変えてほしいですという話も、いろいろな職場から出ていた。それは瑞穂工場も含めてIHIグループ全体として出ていたということは確かでございます。それに対して、現場に対しての対応をこれからやってまいりますので、問題ございませんのでしばらくフォローをしていただければという回答が出てきたところというところです。 日本経済新聞:つまり、無資格検査をしているという事実は理解していたということではないですか。 満岡:それはございません。 日本経済新聞:ただし、その検査が逼迫しているという報告が。 満岡:その話でもございません。一般的なものなりが上がってきているというところです。 司会:ほかにございますでしょうか。