愛子さまは凛とした美しさの入社式ファッション 「アクセサリーなし」「控えめメイク」ににじむ覚悟
天皇、皇后両陛下の長女、愛子さまの社会人としての生活がスタートした。4月1日の入社式で見せた、紺色のシンプルなスーツ。そしてアクセサリーもつけず、お化粧も極力抑えた姿は、愛子さまの覚悟がにじむものだったとファッションの専門家は指摘する。 【写真】第1ボタンを開けたスーツの着こなしも素敵な愛子さまはこちら * * * 「頑張って行ってらっしゃい」 4月1日、陛下と雅子さまは、日赤の入社式のために初出勤する愛子さまに、こう声をかけたという。 この日、本社では辞令の交付式と、新入社員らを対象とした説明会があった。 交付式では清家篤社長が、 「敬宮(としのみや)愛子」 と名前を読み上げ、配属先である青少年・ボランティア課への通知書を愛子さまに渡した。 愛子さまがお召しだったフレッシャーズスーツは、紺色のすっきりとしたスーツに白のシャツ、黒のパンプスを合わせた清潔感のある装いだった。 公務やご静養時に身に着けることも多いパールなどのイヤリングや、ネックレスの装飾品もない。卒業式では薄く塗っていたマニキュアも落とすなど、シンプルな装いに徹していた。 髪形も、横の髪を少しねじってアレンジしているようにも見えるが、すっきりとひとつに結んでいた。 何より公務や卒業式では、ナチュラルメイクながらも眉やアイラインもしっかりと描かれ、淡いピンク系のリップやチークがよくお似合いだったが、入社式では眉は整えてはいるものの、アイメイクやファンデーション、リップもかなり薄く抑えられ、「素顔」に近いお化粧だった。
■第1ボタンを開けた愛子さま ファッションジャーナリストの宮田理江さんによれば、近年はオーソドックスではない服装を選ぶ新社会人も少なくないという。 しかし、愛子さまが入社したのは、自然災害や紛争地での人道援助や救援活動を行う組織だ。 人間の生命や尊厳を守る仲間との場にふさわしい服装として、華やかな装飾やメイクを避けたのかもしれない。 「飾らない愛子さまの装いは、かえって好ましい印象を受けます。髪形も、無造作のように見えるものの、集中して仕事にのぞむ気構えさえ感じます」(宮田さん) 優等生のようなフレッシャーズスーツだが、愛子さまらしいアレンジものぞかせていた。 宮田さんは、愛子さまが白シャツの第1ボタンを開けたことで、全体のバランスが整ったと話す。 「もし、愛子さまが第1ボタンまできっちりと留めていたら、ぎこちなさが目立ったでしょう。しかし、襟元をひとつ外したのはよいご判断です」 気負い感がほどよく抜けた着こなしになったという。 ■広い歩幅で歩かれる愛子さま そして、一見して飾りのないように見えても、そこは内親王がお召しのスーツ。仕立てと品の良さがおのずと伝わってくる。 長年パリコレで取材を続けたファッション評論家の石原裕子さんは、シンプルであっても手の込んだ仕立てだと話す。 「光沢のある上質な生地にジャケットの襟などには手縫いのステッチが丁寧に施され、仕立てられたスーツです。ステッチによってデザインにあたたかみが増し、愛子さまの穏やかな雰囲気によくなじんでいらっしゃる」