喜怒哀楽の中で人間が最も想いを乗せられる感情は「怒」…怒りを文章にする際、何よりも大切にするべきたったひとつのポイント
『書けないんじゃない、考えてないだけ。』#2
SNSやブログで読まれる文章とはどんなものか? 「テクニックを凌駕する圧倒的なパワーは喜怒哀楽の『怒』」と語るのはエンタメ系トップブロガー「かんそう」さん。 【画像】はてなブログにて個人ブログ「kansou」を運営し記事数は1000超、月間PVは最高240万アクセス、累計PVは5000万アクセス。ブロガー・かんそう氏の新著 彼が培ってきた文章にまつわる「考え方」「書き方」をまとめた著書『書けないんじゃない、考えてないだけ。』から一部抜粋、再構成してお届けする。
人間は何かにブチギレてる様子が一番面白い
「喜怒哀楽」の中で人が最も想いを乗せられる感情はなんだと思いますか? それは「怒」です。 多くの文章本では「ポジティブな文章を書きましょう!」「マイナスな言葉を言い換えましょう!」などと、「怒」を完全に否定していますが、人間は何かにブチギレてる様子が一番面白いのです。 怒っている本人や怒られている当事者ではなく、その様子を第三者目線で見ると笑えた経験はありませんか? 他の感情に比べて「怒」が乗った文章のスピード感と破壊力は全てを凌駕します。 まずは、心の中にあるブレーキを破壊してください。「こんなこと書いたら怒られるかも……」「読む人によっては不快かな……」という考えをゴミ箱に捨ててください。 例えば、私がこの世で最も嫌いな言葉は「エモい」なのですが、6年前に「エモい」に対する憎悪を綴った記事を紹介します。 「エモい」って言葉がマジで気に食わねぇ何かって言やぁどいつもこいつも狂ったようにエモいエモいエモいエモい… エモいとは、英語の「emotional」を由来とした、「感情が動かされた状態」、「感情が高まって強く訴えかける心の動き」などを意味する日本語の形容詞。 感情が揺さぶられたときや、気持ちをストレートに表現できないとき、「うまく説明できないけど、良い」ときなどに用いられる。エモい - Wikipediaより 「うまく説明できないけど、良い……っ」 は? なんだそりゃ? うまく説明できないんだったら喋んじゃねぇよ。まとまってから言えよ。「良い……っ」じゃねぇよ、軽くイッてんじゃねぇよ。なに一人で勝手に気持ち良くなってんだよオナ太郎かよ。 しかも「エモい」使うやつ漏れなく全員「わたしわかってます~」みたいな雰囲気出すだろ。なんだあいつら。公園で花火して一番盛り上がってるところで通報されろよ。「エモい」って使った時点で言葉にするのを放棄したサルだからな。バナナ目の前にしてウホウホ言ってんのと変わんねぇんだよドンキーコングかお前ら? そうやって一生地面叩き続けてろよ。「ぼくは上手く言葉にできないけどニュアンスを感じ取って…」みたいなのマジでハラワタ煮えくり返るわ。お前らの脳味噌カニ味噌入ってんのか糞が。 文読んで「このブログエモい…」メシ食っては「このブロッコリー超エモい…」映画観ては「ラストシーンの石原良純エモすぎ…」漫画読んでは「最近『浦安鉄筋家族』読み返したけどマジエモい…」犬見ては「あの白い犬エモっ…」マジで全員なに言ってんだよ。キツめのクスリやってんだろ。救いようねぇバカここに極まるだな語彙力胎内に忘れてきたんかお前ら? なにがエモい文章だよ、ただのつまんねぇポエムだろ。森羅万象エモいで片付けてんじゃねぇよ。なんの宗教だそれ。じゃあ逆になにが「エモくない」んだよ。そっちのほうが興味あるからそっち教えろ。 (中略)