南極観測隊も着用した、“日本製ダウンジャケットの元祖”といわれる名品とは? 占領下にあった時代に誕生
極寒地でも耐えられる高性能
今回紹介する「6720:JP-ORIGINAL DOWN 」は、日本の南極観測隊に納入したダウンジャケットの後継モデルというべき製品で、極寒地でも耐えられる本格的なプロ仕様の設計が特徴だ。ダウンのスペックで「フィルパワー」という表示をよく目にするが、一般に600~700が良質、700以上が高品質とされる中、ザンターのこのモデルは800フィルパワーという高い性能を備えている。どれだけザンターが羽毛の品質にこだわっているかが、この数値からもわかるだろう。 また表地に使われているのは東レの透湿防水「ブリザテック」を採用した3層構造の素材で、蒸れによる衣服内の不快感を解消し、高い保温効果と快適性を実現している。さらに背裏に貼られた消臭繊維の「MOFF®︎」が消臭抗菌効果を発揮する。 外側には機能性を考えてデザインされた大きなポケットが付き、耳や首元を冷気に晒すことなくヘルメットなどを着用したままでも被れる大きなフードのつくりや、手袋をしたままでも使いやすいようにマジックテープを使った広めの袖口など、機能やディテールは徹底的に磨き上げられている。南極や雪山など、過酷な自然の中で培われた技術やアイデアが盛り込まれたメイド・イン・ジャパンの名ダウンジャケットだ。
文:小暮昌弘(LOST & FOUND) 写真:宇田川 淳 スタイリング:井藤成一 Share: