上野裕寿四段、“兄弟”対決の関西B決勝制し西軍出場権獲得!先に代表入りした藤本渚五段のアドバイス活かす/将棋オールスター
「SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2024」の関西予選Bブロックが9月28日、大阪市の関西将棋会館で行われ、“同門対決”となった決勝戦で上野裕寿四段(21)が出口若武六段(29)に165手で勝利した。この結果、大会初出場の上野四段が西軍の代表権を獲得し堂々の東西対抗戦出場を決めた。 【映像】上野四段が突破!注目の関西予選Bブロック 同じ井上慶太九段(60)門下の“同門対決”となったBブロック決勝戦は、弟弟子の上野四段が白星を飾った。前年の新人王として活躍目覚ましい21歳の新鋭は、1回戦から増田裕司七段(53)、都成竜馬七段(34)、小林裕士八段(47)、池永天志六段(31)を撃破。互いを良くしる仲でもある兄弟子の出口六段との決勝戦に挑んだ。 関西予選Aブロックからは、両者にとって弟弟子でもある現役最年少棋士の藤本渚五段(19)が突破を決めている。藤本五段に続くのはどちらを争う注目の決勝戦は、振り駒で上野四段の先手に決定。矢倉の出だしから繊細なかけ引きへと発展した。混沌の戦況から抜け出したのは上野四段。タイトル戦経験者でもある出口六段は猛攻をしかけて弟弟子に迫ったが、上野四段も堂々とした対応を見せていた。難解なまま突入した終盤戦では出口六段が上部脱出を図り粘りに出たが、上野四段がスリリングな最終盤を踏み外すことなく仕留めて勝利。大熱戦を制してみせた。 激戦を制した上野四段は「難解な終盤戦で最後はパニックになりましたが、運が良かった」とホッとした表情。ファン投票で選出されている藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)、豊島将之九段(34)、山崎隆之八段(43)、さらに関西予選Aブロック覇者の藤本五段とともに大舞台に立つこととなった。 藤本五段には事前に予選突破の秘訣を聞いていたといい、「『持ち時間が短いので思い切って指した方がいい』というアドバイスをもらった。今日の将棋も悪くなりそうな局面はあったが、開き直って指したことが勝因に繋がったと思う」と爽やかな笑顔で1日を振り返っていた。「(東西対抗戦は)トップ棋士が集結して将棋を指す大きなイベント。勝ち抜くことができたので、西軍の勝利に貢献できるように精いっぱい頑張りたい」と意気込みを語った。 ◆SUNTORY 将棋オールスター 東西対抗戦2024 ファン投票による選出(東西各3人)、予選(東西各3人)、決勝戦(東西各6人)によって構成される。12月15日に開催予定の決勝では、個人戦と団体戦のポイント数で優勝チームを決定する。対局は全て持ち時間なし、初手から1手30秒未満で行われる。先手・後手は振り駒で決める。 (ABEMA/将棋チャンネルより)
ABEMA TIMES編集部