インテグラル、スカイマーク株を鈴与へ全株売却 佐山氏「得難い経験をさせて頂いた」
投資会社のインテグラル(5842)は3月21日、鈴与ホールディングス(静岡市)に保有するスカイマーク(SKY/BC、9204)の株式をすべて譲渡すると発表した。発行済株式総数の5.9%にあたるもので、約35億円で売却する。インテグラルは筆頭株主だった2023年11月に、鈴与HDへ株式の一部を売却しており、今回の全株放出で2015年1月に始まったインテグラルによるスカイマークの経営再建が完全に終結する。 鈴与HDは21日、鈴与グループの投資ファンドである鈴与スカイ・パートナーズ投資事業有限責任組合に25日付で全株を譲渡し、同ファンドが筆頭株主に変わると発表。今回の取得分についても鈴与HDからファンドへ移される見通しで、議決権比率は現在の13.01%から18.91%に高まるとみられる。 インテグラルは、スカイマークが2015年1月28日に経営破綻した際、支援に名乗り出て経営再建に着手。民事再生手続きは2016年3月28日に終結した。2022年12月14日には東京証券取引所のグロース市場へ上場し、東証への再上場を果たしている。2023年10月19日には、スカイマーク株の発行済株式総数の3.25%にあたる株式をエアトリ(6191)に譲渡すると発表し、段階的に持株比率を下げてきた。 経営再建時にスカイマークの会長を務め、再生を主導したインテグラルの佐山展生氏は21日、自身のSNSで「インテグラルが少しでもスカイマーク株式を保有し続けたかったが、鈴与さんが後は全面的に任せて下さいと仰って頂いて全株譲渡した。とても得難い経験をさせて頂いた。頑張ってください!」と、スカイマークの社員に謝意と今後の活躍を願うエールを送った。 鈴与HDは物流事業を中核とする鈴与(静岡市)のグループ企業で、フジドリームエアラインズ(FDA/JH)などを傘下に持つ。スカイマーク株は2023年11月14日に初めて取得し、同日時点での大株主の順位は、筆頭株主が鈴与HDで議決権比率は13.01%、第2位がANAホールディングス(ANAHD、9202)で12.93%、第3位が日本政策投資銀行(DBJ)と三井住友銀行(SMBC)が折半で設立した投資ファンド「UDSエアライン投資事業有限責任組合」で10.53%となり、この時点でインテグラルは関連ファンドを合わせた全体で第5位、議決権比率は7.30%だった。 3月21日時点で、鈴与HDはスカイマークへ役員を派遣していない。
Tadayuki YOSHIKAWA