ケイン・コスギ 影響を受けたものは意外にもTVゲーム
格闘ゲームの動きをアクションに取り入れることも
そもそもTVゲームがケインの基礎を形成してもいた。「日本に来た当時は友達が一人もいませんでしたから、休みの日は部屋でずっと『ストリートファイター』をやっていました。ゲームセンターに行って『バーチャファイター』の動きを研究して、そこから知った技やコンビネーションを自分のアクションスタイルに取り入れる事もありました。特に『ストリートファイター』のリュウやケンの“竜巻旋風脚”はあまりにも衝撃的で」と、ゲームがアクションスターとしての閃きに繋がる事もしばしばだった。 シューティングゲームでは、持ち前の全力投球ぶりを発揮。「コントローラーは今まで4個くらいバキっと壊してしまったことがある」という。 その理由は「自分が先に相手を撃ったはずなのに、自分の方が殺されてしまって『ちょっと、それはおかしいでしょ!』と思った瞬間に、気づいたら壊してしまいました」と笑う。何事にも全力投球なのは、ケインらしい。ゲームで培われた負けず嫌いのマインドと“ファイト・一発!”全力投球姿勢は俳優業でも発揮され、「99.9%ダメ」だったハリウッド挑戦も徐々に結果を出し始めていく。 「この10年の間に色々と勉強をして、一つずつステップアップしていきました。そして去年、ハリウッド初主演映画『TEKKEN2:KAZUYA'S REVENGE』が完成しました。さらに今年もハリウッドで主演映画『MAXX』の撮影を行いました。ここまで来るのに時間はかかりましたが、少しずつでも頑張れば、自分の夢は掴めるという事も知ることが出来ました」と、これまでの道のりに手応えを感じている。
ブルース・リーの動きを体現するため体脂肪率4%に挑戦
17日には、今年3月に日本で劇場公開されたW主演ハリウッド映画『ニンジャ・アベンジャーズ』がDVD&Blu-rayでリリース。米国で権威あるアクション・アワードの最高峰「アクション・エリート賞」では、2013年度の年間ベスト・アクション映画賞を受賞した。 「ブルース・リーのようなシャープでキレのあるアクションを体現したくて、体脂肪率4%で挑みました。ジムのトレーニングに加えて食事制限はとてもハードでしたが、きちんとしたアクションをしたいという目標に向かって頑張りました」。そう話すケインの表情は、ゲーマーとしての無邪気さはなく、ストイックでプロフェショナルなアクションスター、ケイン・コスギだった。 (取材・文/石井隼人。ヘアメイク/浅井昭彦スタイリスト/片山彰乃) ■ケイン・コスギ(けいん・こすぎ)1974年10月11日、アメリカ出身。父親ショー・コスギに1歳半から武道を習い始める。日本空手、剣道、柔道、古武道、テコンドー、中国武術などを習得し、空手大会でのトロフィー獲得数は176個に及ぶ。アメリカンフットボール、バスケットボール、水泳、器械体操、ゴルフ、スカイダイビング、スノーボードなどスポーツ全般が得意。2005年から本格的にハリウッド進出を果たし、ボーダレスに世界各国で活動中。 ・ケイン・コスギ公式サイト