宿泊税導入の検討始まる 外部委員8人で初会議 南房総(千葉県)
南房総市は、宿泊税導入の可否を考えようと、外部委員による「宿泊税検討委員会」を設置、第1回会議を11日に同市役所で開いた。大学院教授ら8人の委員が集まり、市側がまとめた資料をもとに、意見を交わした。 宿泊税は、自治体が総務大臣の同意を得て徴収できる法定外目的税の一つ。ホテルや旅館などの宿泊客に課税し、条例に基づいて税率や使途を定めることができる。 同市では、高齢化や就業人口の減少などにより、税収の減少が見込まれ、新たな財源の確保が課題となっている。財政効果を高めるため、市内外からの交流人口を増やし、地域の活性化を図ろうと、さまざまな施策に取り組んでいる。 このような状況の中、同市内には夏の海水浴客らをはじめ、毎年多くの観光客が訪れていることから、同市観光協会からの提案を受け、観光施策への安定的・持続的な財源として宿泊税の導入について考えようと、検討することになった。 委員会は、市長の諮問機関で、大学院の教授や県税事務所長をはじめ、観光協会、商工会、旅館組合、民宿連合会の会長ら8人で組織。役員選出で、委員長は千葉大学大学院社会科学研究院教授の関谷昇氏、副委員長には同市観光協会長の清宮信英氏が選ばれた。 議事では、市側が提出した資料で、同市の人口や税収の推移、観光の動向、宿泊税の位置付けなどについて確認。委員からは「宿泊税を取るメリット、デメリットを示すことが大事」「何のために集めて、何のために使うのかを明確にしないといけない。具体的な“見取り図”があるといいのでは」「県も導入を検討していて二重取りでいいのか。安房4市町で考えられないのか」といった意見が出された。 今後は、4回の会議を開き、導入の可否を含め、宿泊税の課税要件や使途などについて審議し、今年度中に検討結果を報告書としてまとめる予定になっている。