「親がカバンを…」「消しゴムの出し忘れ…」 受験本番、意外なトラブルとは?
大学受験では思いがけないことが起こるもの。河合塾が実施したアンケートに寄せられた先輩の受験体験談から、さまざまなトラブルを想定し、心積もりをしておきましょう。試験前日から当日も、緊張のあまり予想外のミスも起こりがちです。河合塾千種校のサブチーフとして、日々受験生と接している鈴木希美(すずき・のぞみ)さんからのアドバイスも必読です。 【解説】受験スケジュールを1枚の紙にまとめて親子で共有すると安心
出願から入試当日までのトラブルは、例えば「出願に必要な書類の手配を忘れていた」「入試日程を間違えていた」「受験票を入試会場に持って行くのを忘れた」などと、準備不足や確認不足から起こるものが少なくないようです。先輩が体験したトラブルのなかから、よくある失敗、想定しておいたほうがよさそうな失敗をご紹介します。 ■準備不足 ・出願に英検などの証明書が必要なのに、取り寄せるのを忘れた ・入試要項をよく読んでおらず、試験科目や受験日程を勘違いしていた ■体調不良 ・座りっぱなしが続いて腰を痛めてしまった ・プレッシャーで勉強が手につかなくなった ■交通機関のトラブル ・電車遅延で試験開始が遅れた。そのぶん試験終了も遅い時間になった ・入試会場に行く途中で電車が止まってあわてた ■忘れもの ・肝心の受験票を忘れてしまった ・消しゴムを机に出すのを忘れて消せなかった ・入試会場まで付き添ってくれた親が筆記具などを入れたカバンを持ち帰ってしまった ■その他のトラブル ・書くにもページをめくるにも音を立てる受験生の近くで気が散った ・受験会場まで人の流れに任せて歩いたら、迷ってしまった ・一つ目の合格が決まったら、あとの試験に挑むモチベーションが落ちてしまった
河合塾・鈴木さんから
大学受験の準備に、やりすぎはありません。「ここまで準備したけれど結局は不要だった」くらいでちょうどいいと思います。 準備不足のよくある例としては、出願書類の締め切り日の確認ミスがあります。締め切り日は大学によって「消印有効」と「必着」がまちまちですが、締め切り直前に「必着」であることに気づき、保護者が大学まで届けに行ったという話は珍しくありません。また、出願や入学手続きといった重要な手続きを、親子の双方が「相手がやっているだろう」と思い込み、実際はお互いに何もしていなかったということもあります。受験生本人が責任を持って管理することで本番への意識が高まることはあるものの、まだまだ詰めが甘いのが高校生です。日頃から親子で情報共有するとともに、出願書類を提出する際などは入試要項に線を引きながら、親子でダブルチェックして準備を進めると安心です。 試験当日のトラブルは、現場にいる入試関係者に相談すると何とかなることもありますが、最近はその一言を発することができない高校生が少なくないように思います。もしものときの対処法の一つとして、「周りに相談すればいい」と伝えてあげてください。 受験スケジュールを1枚の紙にまとめて親子で共有すると安心です。