<春に駆ける’23センバツ専大松戸>第5部・選手の横顔/5 /千葉
◇地道な練習、花開く時 多賀谷直輝投手(2年) 縦と横に変化する2種類のスライダーを器用に投げ分ける右腕。秋の大会では登板の機会がなかったが、いつでもマウンドに上がる準備はできている。 「練習はやったもん勝ち」と語る努力家だ。毎日、夜遅くまでトレーニングや守備練習に精を出してきた。その頑張りはチームメートからも一目置かれており、「見る度に球速が上がっている」との評価を受けている。 「楽は苦の種、苦は楽の種」。地味な練習を続ける上で支えになったのは、小学4年生の時に担任の先生から教わった言葉だという。「メンバーに入ったからには、1試合でも多く投げたい」。甲子園という大舞台で、育ててきた種が花開くことを信じている。 ◇俊足掲げ打撃も錬磨 染谷晃汰外野手(2年) 広い守備範囲を身上とする外野手。県大会準決勝の延長十回では、相手打者が右翼に放った大飛球を追いかけ、フェンス際で好捕してチームを救った。 中学時代はクラブチームで野球をしながら、陸上部にも所属していた。この時に鍛えた俊足が武器だ。守備では「一歩目の速さを意識している」と語る。 この冬は課題の打撃に磨きを掛けることに時間を割いた。グラウンドで最後の一人になるまで自主練習に励み、自宅でも家族に手伝ってもらいながら、スイングを繰り返した。「不安定だったバッティングフォームが固まった」と手応えを語る。甲子園では守備でチームの勝利に貢献するのが目標だが、攻撃でも出番が出てくるかもしれない。 ◇逆境乗り越え笑顔で 渡辺真翔捕手(2年) はつらつとした笑顔で周囲を和ませるムードメーカー。「声の大きさはチームで一番」と胸を張る。どんなに厳しい試合展開でも、いつもベンチから仲間を元気づける。 センバツ出場が決まった直後の1月28日、練習中に左膝をひねり、けがをした。医者からは「治るまでにしばらくかかる」と言われた。 だが、決してめげなかった。「センバツまでに必ず治す」。お風呂上がりにストレッチを繰り返すなどケアに集中し、2月後半には練習に復帰。ギリギリでベンチ入りメンバーに滑り込んだ。 逆境を乗り越えてつかんだ夢舞台。「キャッチャーとしても、バッターとしても目立ちたい」とはじけるような笑顔を見せた。=随時掲載