伝統の継承へ獅子舞に挑戦 安養寺で奉納舞を披露 喬木第一小学校【長野県】
長野県喬木村喬木第一小学校の4年生(36人)が12日、阿島の安養寺境内で「地域の伝統を継承する会」を開き、阿島獅子の奉納舞を披露した。地区、寺、阿島獅子継承会の関係者をはじめ、保護者やたかぎ保育園の年長園児らが見守る中、力強い舞とともに笛や太鼓の軽快なはやしを響かせ、大きな拍手を誘った。 村内では4月に各地で祭りが行われ、終わった後には学校でも祭りの話で盛り上がるという児童ら。会話を重ねる中、各地の違いや由来などに関心を高め、地域の伝統行事を学ぶ総合学習のテーマに祭りを選び、歴史や意義、形式などを学んできた。 中でも、300年余りの歴史を有し、激しい舞で「暴れ獅子」の異名を持つ阿島獅子が有名な阿島まつりに注目。無病息災、五穀豊穣と、地域の幸せを願う思いが受け継がれている一方で、近年は担い手不足が課題となっていることを知り、「1人でも多くの人に魅力を伝えたい」と、自分たちで舞やはやしに挑戦し、披露することを決めた。 6月には音楽会でしの笛と太鼓を演奏し、獅子舞を舞った。この日は、実際の祭り舞台である安養寺で勇壮な舞を見せ、見学に訪れた園児らを笑顔にした。継承を願う思いを込めた折り紙を園児に手渡し、「将来は一緒に祭りを盛り上げよう」と声を掛ける場面もあった。 はやしを担当した児童らは「阿島子ども獅子」の一員として阿島まつりに参加しているといい、「毎年とても楽しい。大きくなっても参加して、伝統をつないでいきたい」と語った。 児童の指導にあたった阿島獅子継承会の市瀬兼寿会長(73)は「舞やはやしをやってみるだけではなく、歴史や意義についてもしっかりと勉強してくれたことがうれしい。練習もよく頑張り、素晴らしい舞とはやしになった」と笑顔を見せていた。